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少女(ボーイズラブ)コミック・レビュー


発売されたとたん、1巻が品切れで感想書くの待ってました。
んで、ようやくアマゾンで在庫復活したら残りあと1点になってるという。
もうちょっと刷っても良いんじゃ……と思いつつ、大人の事情にも思いをはせてしまうのでした。
1巻の万聖節のラルフェは、新作じゃなくて新装版だもんなー。

ボーイズラブと言うよりは少女漫画かな? という雰囲気ですが、アスティン様は立派な攻だし、ベルタは美人受だし、まぁいっか。と言うことでここで感想を。
以下ネタバレ妄想注意!



紹介文です。
わずか5歳で、悪魔と契約を交わしてしまう孤独な少年・ラルフは、やさしく風変わりな悪魔・エックと再び出会う日を夢見て、約束通り7年の時を過ごした。しかし彼に与えられた、もう一つの条件とは…!? 

この作品の初出はなんと14年前!
沖さんの初コミックスでした。
……そっか……ボーイズラブとかやおいとかイベントとかのイメージがまずあったので、初コミックスがBLじゃなかったことに今更ながらちょっと驚き。
(でもファンタジー系のイラストも大好きです、デル戦とか)
今回は新装版を出す際、大幅に加筆修正+描き下ろしということで、大変楽しみにしておりました。
↑とりあえず、ネットに予約が出現した時点で予約した奴です。

1冊目は、ラルフ少年と悪魔貴族エックベルトがメインのお話です。
祖父に聞いていた「エック」に会って大好きになって、一緒にお城で暮らしたい、と願ったラルフが、7年後に再び迎えに来るエックを待ち続けます。

そもそもラルフは、エックがラルフの祖父と契約して祖父の寿命を分け与えられた存在。エックとは初めから無関係ではありませんでした。

エックと暮らせるのをこころから楽しみにしていたラルフですが、最後の条件――実はすでに死んでいたラルフが兄の命を奪う儀式――で、いつの間にか兄が大切になってしまっていて、儀式を途中で放棄してしまいます。
結局、ラルフは死んで転生してしまいます。

そして生まれ変わってもう一度、エックと会いますが、もうエックを好きだったラルフはいません。それでもラルフは過去の自分を知りたいが為にエックと契約し……という、何となく輪廻な感じの展開になります。
結局、エックはラルフを手に入れることはできませんでしたが。
なんとなくふんわり、あったかい気持ちになれるラストです。


2巻はエックの執事、ベルタがメインのお話。
どうもベルタはエックとは因縁浅からぬ種族だか部族の出身らしく、そのことでいろいろと問題が起きたりベルタ自身が葛藤したりします。
悩むベルタはかわいい。
そんで、時々出てくるアスティン様がかっこいい!
ベルタからこぼれ出てくるちびベルタなんか、もう辛抱たまらん可愛さです。
捕まえてお持ち帰りしたいくらい。

お話としては、西洋のおとぎ話チックな1巻が好きですが、楽しく続きが気になるのはベルタとエックのお話。
続き……続きは…………いつかきっと読める日が来る、といいな。
くらいの気持ちで待ちたいと思います。


ちなみに、加筆修正ですが、これ、相当すごかったです。
旧版を持ち出してきて読み比べてみたんですが、吹き出しのラインから、手書きの文字、ちょっとした効果とかトーンの張り直しとかエックの髪とか……各ページの修正具合がかなりすごいことになってます。
比べてみると、目線の誘導とかが微妙にスムーズになっていたり、画面がすっきりしていたりエックの髪がふさふさになっていたりと、変わってるところの多いこと多いこと。
頭の下がる修正具合です。
たとえば、

<旧版>


<新版>


おわかりでしょうか。
エックの髪が増量されて、羽の位置が変わって、バックの森が描き足されて、吹き出しの線が増えて、ちょっとわかりにくいですが上のコマのバランスもちょっと変わってます。
こんな感じの微妙な修正が1冊すべてに渡ってちりばめられているという。
すごいとしか言いようのないこだわりを感じたのでした。
もし旧版をお持ちでしたら、比べてみると色々楽しいかと思います。



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