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ボーイズラブコミック・レビュー
表紙だけ見たら、全然ボーイズラブっぽくないんですが、これ、くるっとひっくり返したらぶっ飛びます。
フツーの時代劇っぽい漫画と見せかけて、裏表紙の帯には、
「尻一つで十三万石だとぉっ!!」
と、もの凄い顔した爺さんが叫んでるのですよ。
そんでそのバックには、十三万石くらい軽くゲットできそうな美少年が悩ましげな顔で横たわってるわけですね。
しかもアオリには、
家光と左門の禁断の愛が動乱を招く!!
とあります。
実に立派なボーイズラブだと思いました。
カフェオレのマルコさんのところで、主に尻を中心としたレビューを読んで気になって買ったのですが、なんかちょっと読むのが怖くて今まで積んであったのでした。
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文です。
時は天下泰平、徳川の治世。三代将軍・家光は劣等感や謀殺への畏れから心を閉ざし、剣技に耽った。孤独な将軍が打太刀役として召し抱えるのが、将軍家剣術指南役・柳生宗矩が次男・柳生左門。類稀なる美と剣術の才を兼ね備えた彼に家光は仕合の相手を命ずるが、峻厳なる剣の道に生くる左門は、そこで----...!? 剣を通して育まれる主従を越えた愛と一族の相克を描く隆慶一郎の傑作小説を、田畑由秋&余湖裕輝コンビが鮮やかにコミック化!!
ええと、帯が衝撃的すぎてどんなゲテモノが中に詰まっているのかとビビッていたんですが、そういう意味ではストーリーは割と普通でした。
剣を通じて心を通わせた将軍家光と柳生家の息子である左門が、真実の愛に目覚める物語です。
間違いなくそういう話でした。
だって自分のところの小間使いの女をちょっとお試しで押し倒して、やっぱりこれは間違いだったとあっさり振って川に身を投げさせた、けっこうな極道っぷりを見せるくせに、家光には命を差し出すくらいぞっこんだったわけですから。
で、愛した相手が相手なので、左門は大奥の女達からお小姓に至るまで、およそ考えられる全ての人間から嫉妬され、将軍から13万石を与えられるにいたって、ついに実の父親から暗殺される運びとなりました。ちなみに差し向けられた兇手は左門の兄・十兵衛です。
まぁ、パパも我慢ならんかったわけですよ。
自分が死ぬ気で努力して一生かかって得たのがかろうじで1万石。
対する息子は将軍の寵愛を受けただけであっさりと13万石ですから、気持ちを察するにあまりあります。
まさに、尻一つ(※ただしイケメンに限る)。
色々と気の毒なキャラの多いお話でした。
でも、歴代絶世の美女と称された方々が、国を傾けたり滅ぼしたりと色々派手にやらかしてるのに比べれば、尻一つで13万石なんて全然マシな方だと思います。可愛いもんじゃないですか。
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アキミ