最果ての空最果ての空
英田 サキ

大洋図書 2009-12-09
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ボーイズラブ・レビュー


嵐の前の静けさじゃなくて、修羅場前にあらかた片が付いてしまったと信じたいのに信じられない複雑な状況です。
仕事よりもプライベートがごたついている気がして仕方がない日々ですが、今日読んだボーイズラブも、とても面白かったのですが何か色々と複雑でした。

エスシリーズ(エス咬痕/裂罅残光)と、デコイシリーズ(迷鳥囮鳥)の番外編かつシリーズ最終巻みたいな扱いの1冊でした。
単品でも読めますが、たぶん単品で読んだら?マークが頭の中を乱舞することうけあいです。
それくらい、これまでのシリーズに関わりが深いです。
というか、これまでのシリーズの補完編みたいなところがあります。
シリーズを通して脇でひどいめに遭い続けてきたキャラにスポットを当ててみました的なお話なのです。

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。

~惚れても手に入らない男 そんな男に恋した男は~

警視庁公安部外事第一課第四係の刑事であり、 ウラに属する江波郁彦は、ある日、秘匿追尾していた男に 尾行を見破られるという失敗をおかしてしまう。 そしてその日、上司に呼び出された江波は、 そこで警視正、篠塚英之からある事件の班長に指名される。 篠塚は若くして公安部部長に次ぐ地位にあり、一見穏和だが 常に冷静で、何を考えているのかわからない男だ。 江波はある事件から篠塚に反抗にも似た感情を持っており・・・・!? 事件にはできない事件を追う、男たちの静かな闘いの物語!


エスシリーズでメインカップルだった椎葉の義兄がメインのお話でした。
篠塚警視正です。
何考えてるのかいまいちよく分からん、でも間違いなく結構、かわいそうな扱いを受けてきた人です。
そんな彼に恋したちょっと軽い男がでてくるのです。

おっと彼にもようやくお相手が!?
と言う場面。

「俺の下で喘ぐあなたがみたい――」

とか、どう考えても上司に言うべきでない台詞で強引に口説き落とすのかと思いきや、

「悪いが、君のような坊やに好き勝手される気はないよ

と、篠塚は28歳の男を坊や呼ばわりでかるくいなします。
そしたら今度は変化球が来ました。

「だったら、あなたが俺を好きにすればどうです。……俺はいい声で啼きますよ


なんと28歳の坊やは、両刀使いなのでした。
個人的には篠塚攻も見てみたかった気はしますが、そっちもオトナの余裕で一蹴されてしまいます。

しかもっ!
このヘタレわんこは粘りが足りなかった。
それはもう、決定的に粘り強さにおいてBL界の攻失格です。

だってこの本の本命カップリングを成立させ損ねたんですから!


そりゃ、篠塚みたいな深い孤独を、寂しいと自覚しつつも一人で歩き続ける覚悟をしたような男が相手では、28歳の坊やが太刀打ちできなくても仕方ないですけども。


だってそれでもまさか、キスだけで1冊が終わるだなんて。
しかもこの本には続きがないわけです。
なんぞこれ。

いや、話の流れとか内容とか篠塚の性格と覚悟を見れば、これが自然な結末なんだろなって思うんですが! 思うんですがでも。

やっぱり物足りない……。

警察小説として読むにはちょっとあれだし、やっぱりこれはボーイズラブだと思うんですよね……話の比重が。
なのでこう……もうちょっと後一声っ!
と思ってしまったのでした。


最後に、追いかけていたロシアのスパイを、ペルソナ・ノングラータ発動でやりこめたあたりはスカッとしました。
外交官って、現行犯でも逮捕されないほどの特権があるんですね……。
腹の立つ話です。

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