女王様の料理人~美食の悦楽~ 女王様の料理人~美食の悦楽~
水上ルイ

ハイランド 2004-05-13
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ボーイズラブ・レビュー


旅行先に持ち寄ったボーイズラブの中の1冊です。
友人が出発前に、

「今シェフものにはまっているの! 朝昼晩と超一流シェフの食事が食べられるなんて最高じゃん!!」

とのたまい、シェフものをどーんと持ってきてくれたのです。
彼女が、豪華客船よりこっちの方が好き! というので、あのトンデモより凄まじいのか……と戦々恐々としていたのですが、どうやら料理人がメインでツンデレ受というあたりに心をくすぐられたからのようでした。


で、私は旅館の料理長が腕を振るった豪華懐石料理を毎食食べながら、天才シェフが腕を振るって男を口説く話を鼻歌交じりに読んだのでした。

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。
「あんたみたいな気の強い美人は大好きなんだ」―普段は氷のプリンスのごとく君臨する美貌の料理評論家・竹彦の心を、情熱的なキスで掻き乱した男・トリスタン。神のごとき腕を持つ天才料理人だが、野蛮で危険な魅力を持つ男…。だが自身の野心の為、彼をスカウトした竹彦に彼が要求したのは、同棲という思いがけない代償だった。日毎彼のためだけに饗される極上の料理と官能的な接吻…。蕩けるような美食の悦楽は、竹彦の凍った心さえ甘く溶かし始めて…。

まぁ今更どーでも良いんですが、レストランに客としてやってきた男に、食事後いきなりキスをぶちかますシェフというのは、接客業的というか人としていろいろ踏み外している気がするのは気のせいでしょうか。
普通に考えたら通報レベルにやばいと思います。
さすが海外。というか地中海。
情熱がほとばしりまくってます。

しかもそんなことされたのに、自分がプロデュースするレストランのシェフにスカウトする受さんもなかなかの肝っ玉です。


というか、もうこの攻シェフが!
俺の作った料理だけを食べさせたいとか、おまえを構成する細胞全てが俺の料理で云々とか、おまえは男の胃袋を掴もうと血道を上げる結婚前の乙女か! 
という素敵な台詞を連発いてくれるのです。
同棲する男が毎日ご飯を作ってくれるとかどんな極楽だ、と、むしろそこが羨ましいです。
ちょっとくらい野蛮でも許せてしまいそうです。

BL的にはどーでもいいんですが、個人的には受の婚約者がちょっと哀れでした。
好きな相手に作ったカレーが驚異的にまずかったとか……かわいそーに。
というか、カレーなんかどーやったら不味く作れるんだろう。
気持ちだけはこもっていたんでしょうに、ちょっと気の毒でした。

結局、当然のように婚約は破棄で、受は胃袋ごと心を射止められて野蛮で危険な男のものになったのでした。


いやー、おいしいお話でした。

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