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スサの神謡(キャラ文庫)スサの神謡(キャラ文庫)
秋月こお

徳間書店 2009-06-25
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ボーイズラブ・レビュー


秋月さんの日本神話ベースというと、その昔、ボーイズラブというかジュネ(?)から化学変化を起こしてなぜか児童文学になって発表された「ぼくの・稲荷山戦記」を思い出します。
この作家さんは結構、和テイストが好きなのかなー。
私は大好きです。
神話とか古代の歴史とか神社とか巫女とかアニミズムとか陰陽師とか!

で、イラストも好みだし即買いだったのでした。

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。
「西方より、国を救う人柱の男がやってくる」―神を降ろせるイワレヒコは、沈黙の掟を守る美貌の巫。ある日、託宣通りに出迎えた、百済の船から降り立ったのは、なんと大神スサノオだった。けれど、ラオウと名乗るその男は、神としての記憶を自ら封印しているらしい!?地上に降臨した荒ぶる神に、畏怖しながらも惹かれていくが…!?神話の神々が息づく、古代ロマン・ファンタジー。

きたきた。
美貌の受……じゃなくて巫。
いや受なんですけど。

神に仕える巫が人に想いを寄せるという構図、良いですよねー、なんか禁忌っぽくて。
今回の攻は人というか生き神っぽかったのですが。
この攻様はなんと超有名な、神様の代表選手と言っても良いくらいの御方でした。
その名もスサノオ。
天照大神、月読命と並ぶ三貴子のひとりです。もう超大物。
大胆なことやるなぁと思いつつ、楽しく読ませていただきました。


しかしまー、神様にも上司にもひたすら従順だったイワレヒコは、攻に対してもひたすら健気で従順でした。
強情な面もあるんですが、基本、攻に一目惚れ&絶対服従なので、健気を通り越してほとんど信仰の対象としてるみたいなところがあります。
相手がスサノオの化身なので、あながち間違いではないんですが。
なので恋愛に伴うハズの生臭さとか、そんなのがあんまりありません。
無体を強いられても、ひたすら耐えるイワレちゃん。
こんな子、今時女の子にも滅多にいないんじゃなかろうか。
もうちょっと、人間らしい何かがあっても良かった気もします。

しかも、ベースが神話なので、彼らには子どもが産まれます。
……ただし、とかですが。
スサノオの精を吸ってイワレが産んだから「イワナ」と名付けられたとか。
やー、川魚食べ時に色々思い巡らして箸が進まなくなりそうですね!
顔を洗ったら鼻先とか目から子どもが産まれました! みたいな世界なのでもうなんでもアリなんかもしれません。

とにかく、押しよせる敵をばったばったと薙ぎ倒し、味方の妨害も押し払い、平和を掴んでいつまでも幸せに~という流れです。安心して読めます。


本編にはまったく関係ないですが、個人的には月読がちょこっと出てきていて嬉しかったです。三貴子の中で彼だけは極端に史料に記述が少なくて存在感の薄い神様なので。

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