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モルグの番人 (白泉社花丸文庫)モルグの番人 (白泉社花丸文庫)
今城 けい

白泉社 2009-02
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ボーイズラブ・レビュー


オビが貞操帯……と思いきや、不自然に靡いたシャツの端っこでも一応、ガードされていたという、二重ロックの安全装置完備なんだか下手に隠れてるから余計に――なかなかに微妙な表紙です。

まぁ、ネットで表紙買いだったんですけども。
幻想的でステキなイラストです。
ギリギリへそ下まであるオビが良い味出してます。

あれですね。
欠けた部分があるから美しい的な。
ニケとかミロのヴィーナスとかと同じ感覚でしょうか……いや、ちと違うかも。
(やー、サモトラケのニケの評論文、好きなんですよ。センター過去問の中で一番好きでした。ぜんっぜん、この話の中身とは関係ないんですけど!)


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
知り合って10年。ただ1度の例外もなく再会のたびに須賀を凝視するのは、IQ200の麗人・柳。新聞社で死亡関連のデータばかりを扱う特殊な部署、通称『モルグ』に勤める少々奇矯な男である。その柳を滅私盲愛し、献身的に支える須賀は雑誌記者だ。そんな二人が、ある日、手違いでモデル売春の副産物である1枚の裏AVを入手して…。非道な事件の解明とともに、10年間友人を貫いてきた二人の、互いへの妄執と独占欲が暴かれる!排他と包容―究極のオンリーワン・ラブ。

オンリーワンっつーかなんつーか、この受。
浮世離れしていると言うだけでは表現しづらいほど現実感のない男です。
情緒欠落というか現実認識の方法が一般人とはかけ離れているというか。
いちおう、現代物で、攻は雑誌のライターで、受も新聞社勤務という設定のハズなんですが、受のキャラのせいで素晴らしくファンタジックな雰囲気を醸し出すシロモノにできあがっております。

で、その感情の読みとりにくいことこの上ない受に10年来の恋心を抱える攻。
この男、目つきは悪いくせになかなか大したヘタレで、受をおいしく頂く夢まで見るのに起きたら手が出せません。


どっちかというと二人の恋路より、そのバックの事件の存在感の方が大きかったのかも。
受が裏方からサポートしながら二人三脚で事件を追いかけるのですが、こっちがなかなか楽しかったのです。
で、攻がピンチになった時、受が静にプッツンきてしまいます。
外から見ても怒っているのかどうか分からないけど実は激怒しているって、かなり怖いですよね……。
この受、パソコンメインの情報操作だけでひとつの組織を壊滅させかけてしまうのでした。

たいして動かないのに、やらかす内容はダイナミック。

傍迷惑この上ないギャップです。

奥手の攻と感情があまり動かない受の恋愛なんか成立すんなか?
と若干、心配だったのですが、何とか納まるところに納まって、読み切りでは砂糖が吐けそうなほど激甘な攻の誕生日エピソードが読めました。
正しくボーイズラブしてるな! 思いました。

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