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茨姫は犬の夢を見るか (幻冬舎ルチル文庫)茨姫は犬の夢を見るか (幻冬舎ルチル文庫)
玄上 八絹

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ボーイズラブ・レビュー


デビュー作から追いかけてる作家さんです。
最初の1冊は途中で投げたくなるよーな、妙に複雑な文章の本だったのですが、それでも投げられずに最後まで読まされてしまう不思議な引力を持っていました。

それがもう4冊目。
きっと相性が良いんだろうなーと思いつつ、名前を見たら買ってしまう作家さんリストに載せてここに至る、と。
この作品は、前作・しもべと犬の続きに当たります。
メインカップルに加えて、もう一組、ご主人様とわんこのペアが登場。
この新カップル、登場ページ数はメインより少ないんですが、存在感は私の中でMAX状態

ボーイズラブ業界にわんこブームの旋風を巻き起こしてくれる……かも?
な作品のひとつに違いありません。


以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。
警視庁の非公式部署に所属する刑事・奥村智重には「犬」と呼ばれるパートナーがいる。「主人」である智重を守るため、危険に飛び込む「犬」・石凪信乃。ようやく想いが通じ合った二人だが、ある日、智重の先輩で元特殊部隊のエース・玖上禪が着任、禪の「犬」である五係所属の謎の多い分析官・篠宮犬姫とともに智重・信乃は任務に就くことに…。

わーい、SMだSMだ!

……リアルで口に出したらドン引きされること間違いなし(リアルを知ってる方々……画面の向こうでさもありなんと頷かないでください~!!)ですが、ボーイズラブのSMが実はかなり好きです。
犬も好き。
主従モノも大好物。

この作品にはその3つがトリプルブレンドでぶち込まれておりますが、あえて断言しましょう。


この作品のメインはSMであると!


それっぽいシーンはラスト近く、怒濤のように登場します。
死闘を繰り広げた攻と、その戦闘の最中にいくつか攻の指示を効かなかった受・犬姫のSMプレイです。
傭兵で、そもそも調教と拷問の区別も良くわかっとらん蝉が、自分の≪犬≫をお仕置きしてしまうのです。
舐めやすいようにと、床まで黒光りする水を弾く素材に貼り替えてあるようなお部屋で、首輪手枷滑車玩具……やー、すごいですね!
本気ですよこのひとたち。

縛る・突っ込む・捻る・吊す――。
要所要所は総て押さえましたと言わんばかりの濃縮エ口
ここに蝋燭と木馬ちゃんがいないのが不思議なくらいの充実っぷりです。
痛い、痛いよ、それたぶん、本気でめっちゃ痛いって!!
みたいなことを延々とやってくれます。
思いっきり痛めつけられてるのに、それすら快感になっちゃう犬姫が健気で可愛いなー、こんなわんこ良いなーと思ってしまうあたり、ちょっと己の人格に色々ツッコミを入れたくなったりしますが、愛あるSMならOKですよ! 見るだけなら。
で、ここまでやるんか、あんた鬼やな蝉……と思ってたら、衝撃の一文。


まだ、今日の禅は優しかった。


こいつら普段どんなコトやってるんだろ……と本気で目を剥いてしまったのでした。



ええ。
ラストの十数ページのSMシーンについてはまだまだ色々語れると思うんですが、ちょっと世間体を鑑みてこの辺で止めておきます。


ストーリーは……ええと、ストーリーは。
どんな話だったかと言うと、ちょっと国防に疑問を持っちゃった自衛官がイージス艦を乗っ取って言うこと聞かなきゃウイルス世界中にばらまいちゃうぞ! と喚くのを説得&阻止する、という感じです。
「亡国のイージス」みたいな感じです。
↑この話を思い出しながら読みました。

メインカップルも十分活躍してますし、幸せになれて良かったねー、ご主人様の役に立てて、しかもそれを認めて愛してもらえるようになって読んでてほのぼのしたわー。


でも新しく出てきた銀髪×赤毛のSMカップルにインパクトまとめて持って行かれたかも。
と言う気がしないでもありませんでした。

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