秘書とシュレディンガーの猫 秘書とシュレディンガーの猫 (SHYノベルス)
志水 ゆき

大洋図書 2008-12-22
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ボーイズラブ・レビュー


メリークリスマス!

無事に下版を終え、あとは2つほどの忘年会を残すのみとなって気分はラリパッパ、頭の中は一足遅れてお花畑状態です。
ひとつ仕事が終わると気分が良いものです。

まあクリスマスにボーイズラブの感想を嬉々として書くのもどうかとは思いますが……クリスマス当日に風邪で寝込んだ妹よりはマシかなと自分に言い聞かせ、カタカタとやっております。

で、榎田さんの新刊です。PET LOVERSシリーズ 第3弾。
というか、メルマガ再開された割には新刊発売予告ってきたっけ??
と首を傾げつつ、偶然本屋さんで見つけて購入したのでした。
仕事明けにお目当ての新刊に偶然巡り会うというのも、なかなかステキなことですね。

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。

シュレディンガーを正しく指摘したひとりに全財産を相続させる・・・ 亡き祖父の遺言を聞くため古い屋敷を訪ねた舘を待っていたのは、 風変わりな猫探しの遺言と初めて会う従兄弟、それに祖父の美しい個人秘書 雨宮だった。 金と権力を信じる舘は遺言の内容にうんざりしながらも屋敷に滞在することを決める。 一方、雨宮は初めて会ったときから舘のことが嫌いだった。 それなのに、舘の挑発に乗ってしまい・・・!? 甘くてほろ苦い大人の恋!!

……シュレディンガーの猫を、読みながら謎解きの参考になるかしらと思ってウィキペディア先生に質問してみたわけですが、魔法の呪文にしか見えませんでした。

無理。意味がわからん。
そもそもなんで猫が絡んでくるのかすら、理解不能でした。
これが理解できる人は本当にすごいと思います……。

シュレディンガーを正しく指摘したひとりに全財産を相続させるという微妙な遺言も、9億円を超える相続が絡むとなれば文句を付けてばかりもいられません。
大の大人が3人雁首揃えて、広い幽霊屋敷で猫探しです。
全部で6匹いる猫から、正しくシュレディンガーを指摘しなければなりません。

誰も名前を教えてくれないので、彼らは祖父が残した膨大な日記から猫に関する記述を洗い出し、地道に猫の名前を特定していくわけです。


が。
謎解きは、この作品単品で読み始めたとしても、全体の4分の1までに終了します。
読み手にはあんまり隠す気がなかったみたいです。
(もちろん、作中の人物は最後の最後まで答えに辿りつきません)

なにしろ、PET LOVERSシリーズ 第3弾なので、タイトルからしてネタバレと言えばネタバレなんですよねー。もうちょっと隠してくれても良いのに。


秘書が猫だったというオチなのです。
最初は気に入らなかったいけ好かない堅物秘書は、実は……という設定。
あれです、昼は淑女、夜は娼婦のボーイズラブ受版と申しましょうか。
大事な旦那様のお屋敷をラブホ代わりにされ、さらに色々と小馬鹿にされてプッツンきてしまった受は、連れ込まれていた女を叩き出し、代わりに自分がのっかってしまいます

わお、大胆っ!

そう。
この秘書は、シュレディンガーの猫は、人間ペット派遣会社所属の猫だったのでした。
てっきり、欲求不満だった攻に無理矢理致されてしまうのかと思っていたら、なかなかどうして強かな受様でした。
人を信じられないと言いつつ、旦那様のことは信じてたんじゃないかなーこの受は。
で、旦那様は、この自分が拾った猫を次に可愛がってくれる相手を見つけたかったんだなぁと。
なんつーか、肉体的にはメインのカップルが成立するんですが、根本的にと言うか精神的には旦那様×猫なんじゃ……という勢いの話の流れなのです。

で、紆余曲折の末に無事シュレディンガーの猫を言い当てた攻は9億円越えの財産を相続するのですが、愛にやられて売り払わずに逆に金を掛けて整備することに。
サラリーマンの生涯年収×4の価値を超える愛です。
素晴らしいですね!

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