日本を休もう もう一つの極運星物語  【コミックセット】日本を休もう もう一つの極運星物語 【コミックセット】
東宮 千子

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ボーイズラブコミック・レビュー


仕事の完了を待たずに読了してしまいました。
お陰様で寝不足です。
もう、あれですよ、後半の巻に入ると1日1冊とか言ってられませんで。
ざくざく読み進んで、さっき読み終わりました。

いやーしまった。
あと数日、何を励みに働こう……。
年末年始の連休かな……ほとんど唯一と言っていい、今の会社でよかったと思える1年で最大の連休……(←今年はなんと2週間以上もある。これで一か月分のお給料がもらえるのだから有り難い話です)でも予定していた旅行は行けなくなったので、なんともいえない気分なのですが。


で、同じ作者さんのシリーズで「海老原さん家は今日も大変」というコミックスがあって、これも読みたい!となったんですが、生憎これは高校時代に寮監だった師匠に借りたシリーズで、手元にないんですよね、ふう。エビタイ、集めようかな……。

なんにせよ、18冊、勢いに任せて読み切ってしまった(予定では来週半ばまでじっくり楽しむはずだった)ので、その勢いのままとりあえず感想を。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
災いをもたらす少年桂木日本は、謎の青年有楽一刻から、自分が『極運星』という一度出会ったら二度と離れられない、運命の相手を持つ星の下にいると聞かされる。そして日本は出会ってしまった。運命の相手、東刈谷世界に…!!

日本を休もうは、ギャグも入ってますが基本シリアスです。
設定は一応現代ですが、中身はミラクル設定のファンタジー展開が目白押しです。
とりあえず、内容紹介は1巻のものなんですが、のっけから占い師とか登場。
不幸続きの少年には運命の星の元に生まれた相手がいて、一度会ったら二度と離れられませんよ、と強烈なことをあっさりと宣言されます。
そして出会った相手は、

いやー笑い事じゃありあせんぜ。
生まれてこの方、災難続きの幸薄い少年の運命の相手、赤い糸というか赤いワイヤーロープで結ばれた相手がだったんですよ。
さよなら平凡で普通の人生! という感じです。

もう初っぱなから不幸全開の少年・日本(これでヤマトと読む)は、たまたま目の前で割れた特注ガラス代金300万を請求されそうになったところを通りすがりの少年に肩代わりしてもらい、ほっとしたのも束の間、今度は住んでたアパートから焼け出され、同居を持ちかけてきた相手が借金を肩代わりしてくれていた少年・世界で、運命の男だったのです。
堅い星の絆で結ばれている二人は、離れることはおろか、喧嘩すら許されません。

彼らが喧嘩をすると、超局所的な大地震が発生したりするのです。
地震範囲は彼らの部屋。
震源地は人間

織り姫と彦星ならともかく、これじゃ彦星×彦星
しかも彼らは雨が降っても会えないだけですみますが、こっちはちょっと仲違いしただけで命の危機です。
とりあえずお星様、運命の相手は性別を考慮してあげるといいかなと思います。
まぁ考慮されたらボーイズラブとしては成り立たないんですけど!


その日本の運命の男・世界は、高校生ですけど高校生離れ……っつーか人間離れした天才的頭脳の持ち主でした。
どのくらい天才だったのかというと、片手で会社を転がしたら年商100億を超え、セキュリティシステムを強化させたら一般人が10年かかる仕事を1か月で片付けてしまえるくらいだそうです。

困ったことに全く実感がわきません。


しかも、その世界の父は戦後の日本を復興に導いた張本人で、日本のありとあらゆる情報を集約させ、日本中に張り巡らせたコンピュータネットワークによって、陰から日本に君臨する『東和』という組織を生んだ人物だったのです!
で、頭はいいけど人格は崩壊していた父は、自分の死後、自分が築きあげた組織を崩壊させるシナリオを組んでからお亡くなりになり、世界と日本は、千人単位の部下とともにその陰謀を阻止すべく奔走します。

忘れがちですが、彼らは高校生です。


こいつら、こんだけ学校休んだら留年決定だろ! と思っていたら、なんと本人の知らないところで部下たちが勝手に退学届けとか提出してたりしました。
高校生は日本の影の主!
のはずが、いつの間にか高校生じゃなくなってたわけですね。
これはちょっとひどいんじゃないかと思います。


話はどんどんエスカレートし、世界の兄・天地が死亡したことで加速。
天地と日本は、実は全く同じDNAを持った人間だったとか、実はアメリカ側にもう一人、同じDNAを持った男がいてそいつが黒幕で、催眠術にかけられた東和の部下たちが暴走したり云々で、もう大パニックです。


愛と意志の力で事態の収拾をつけたときにはもう屍累々。
ボーイズラブ死ネタ厳禁の大原則を土足で踏みにじる勢いで、主要カップルがバタバタと倒れていきます。
主役の日本と世界が生き残って実はかなりほっとしたくらいです。


ちょっとキャラを見分けるのに苦労したりもしますが、なれれば不思議とわかるもんです。
シリーズを通しで読むと、なかなかに心地よい充足感があります。
トンデモ設定を乗り越え、キャラの区別が付くようになれば、もはやハードルはありません
私はわりと軽々と乗り越えました。
このシリーズも、ドナドナできないんですよね……18冊もあるのに!
困ったものです。

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