アオゾラのキモチ―ススメ (幻冬舎ルチル文庫)アオゾラのキモチ―ススメ (幻冬舎ルチル文庫)
崎谷 はるひ

幻冬舎コミックス 2008-11-17
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ボーイズラブ・レビュー


絵が下手くそなファッション科の直情径行型攻と、過去に恋愛トラウマ持ちのアニメ科受のお話です。
専門学校が舞台です。
表紙では攻がファッション科らしくもの凄いセンスの布(浅緑色と青空柄が裏表)を持ち、受はピンクのペンタブを片手にカメラ目線です。
どうでも良いけどその体勢で裁ちバサミ使うのは危ないから止めた方が良いと思うなー。


以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。

同じ専門学校ながら、ファッション科とアニメ科はまるで異文化。アニメ科の北史鶴とファッション科の冲村功は、ある事件をきっかけに親しくなる。史鶴は、最初の恋が最悪の結果となり、次の恋も同棲までした恋人に裏切られ、恋愛に消極的になっていた。冲村に惹かれながらも三度目の恋に臆病になった史鶴は、あきらめようとするが…。


敵キャラ……つーか、攻にストーカーしていた現実に適応できない根暗引き籠もりオタクののDMくんの存在感がえらいことになってました。
なんだコイツ。
なんで略字のDMがダイレクトメールじゃなくてダンジョンマスターなんだ!
おかしーだろ、どう考えてもありえんだろ!
どんだけ現実世界から乖離してるんだこの男……と、ちょっとビビりました。
絶対に関わりたくないこんな相手にゲームキャラと思い込まれてつきまとわれた攻にはご愁傷様ですとしか言いようがありません。

誰だってドン引きするよ、初対面の相手に「クエンツ、クエンツ」とか意味不明な横文字で話しかけられたら!

このDMくん、最後までこのカップルに絡んでくるんですが、ちょっと寒くなります。
やけに嫌がらせの手段とかが現実的で怖いんです。

攻はネットに下手くそなデッサン晒されて誹謗中傷されるし、脅迫メールが延々届くし、最後は受が階段から突き落とされるという。
インナーワールドにどっぷりだけならまだしも、現実世界でも手が後ろに回るようなことを連発してくれたのです。
このキャラは洒落にならん男でした。


で、肝心の恋愛ですが、いやまーもうこれが!
攻が直球過ぎて直球過ぎてもうどうしたらいいのかわからん!
もう感情と行動が直結してるわけです。
キスしたくなったから、する。なんでしたくなったのかは、とりあえず考えない。
普通は真っ先に考えると思うんですが、考えるより先に身体が動いてしまうわけです。
欲求に忠実に動くにもほどがあります。
で、思い至った結論は迷い無くその場で口に出す。
学校のPCルームで好きだのほしいだの言いたい放題です。
で、まだ過去に踏ん切りの付かない受も勢いに押されて告白されてそのままアパートで致してしまうと。(あ、でも攻が気を遣って最後まではいかなかったけど)

もう情緒とかなし。
まったくなし。
過去を告白できずに悩む受に、「いや、あの男相手に悩むとかまったく無意味だようん、気持ちは良く分かるけど深く考えない方が良いよ、間違いない」とアドバイスしてやりたくなったものです。
ここまで真っ直ぐな相手だと、真面目に悩んでる受がちょっと可哀想に見えてきます。
ここまで素直なのはある意味で美徳だけど、この先は猫被ることも覚えないと痛い目見るよ~とドッキドキです。

なにしろシリーズ化するようなので、ちょっとこの先、この攻くんがどんな壁にぶち当たってどう変わるのか興味津々です。

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