こいきな男(やつ)ら (ショコラノベルス)こいきな男(やつ)ら (ショコラノベルス)
御木 宏美

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ボーイズラブ・レビュー


忙しくなるとまったく更新したくなくなるか、ランナーズハイのごとくカタカタ更新したくなるかどっちかなんですが、今回は後者のようです。
割と珍しいパターンな気がします。

なんか、急に読みたくなったのです。
この作家さんはWORKDAY WARRIORSという読み応え抜群のオフィスラブを書いた方でもあります。
こいきな~は、もうちょっと砕けて、主人公たちの職業はデザイナーです。
デザイン事務所がメインなんで仕方ないですが、印刷間に合わないから出張校正~とかそんな言葉、見たくなかったな。まんま1ヶ月後の自分じゃん……と。

昔、Yに借りて確か4冊目あたりまで読んでいたはずがいつの間にかフェードアウトしてしまい、完結したのを知りつつ横目に眺めていたのですが、ここに来て突然、むくむくと読みたい気持ちが涌いてきまして、1巻から6巻下までガッツリ揃えてしまいました。

発行されて時間が経ってしまうと、アマゾンとかで一発で揃わないので、不便で仕方ありません。読むのより集める方に時間がかかってしまいました。

でも頑張って集めた甲斐がありました。

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。

青山にある「デ・ジョン・ビザー」は、4人の青年が共同経営する装飾デザイン事務所で、主に店舗装飾を扱っていた。デコレーターの真鍋進は、共同経営者のひとりで学生時代からの友人でもある伊達悟に、ずっと想いを寄せていたが、彼には、やはり同僚である10年越しの恋人・瀬尾瑞紀がいて…。あきらめようと思いながらも、その切ない想いを断ち切れずにいる進を見つめる島津京平のまなざしは誰よりも熱く…。センシティブ・ラブロマン。


デ・ジョン・ビザーはフランス語でヘンな男たち、という意味らしいです。
まぁデザイナーですし、それぞれに個性のある男が集まってるので的を射た社名ではあります。
男4人のデザイン事務所。
そして4人ともホモ。そう、事務所総ホモでございます。
学園モノで言う生徒会総ホモ。
ボーイズラブにおける登場人物総ホモ。

つまるとこいい男はみーんなホモ。
という、リアル社会では女の敵! な世界。

最初は10年越しの恋人がいる男に片想いしていた受もいるんですが、あれこれの末、きれいに2つのカップリングが成立。
全編を通して、お互い切磋琢磨して上を目指そうぜ! という王道展開が基本です。

この作品におけるメインカップルは京平(攻)と進(受)。
進は超のつく鈍感青年で、京平が6年間ずーっっっと片想いしてくれていたのにまったく気付かず、ひたすら同じ事務所ですでに恋人持ちの悟に気持ちを向けていました。
6年ですよ6年! 小学生が入学して卒業しちゃう年月です。
良くそれだけ思い続けられたなぁ。立派です。
でもその我慢もある時臨界点を突破。
思いのたけを告白し、そのままノリと勢いで裸のお付き合いに持ちこんでしまいます。
たいていのBLなら、ここで受は隠された快感を探り当てられ、初めてにもかかわらず身も世もなく悶え、喘がされ、めくるめく桃色ワールドにダイブしてしまいます。
攻は、たとえ男相手が初めてであろうと超絶テクを駆使し、愛する受に苦痛を与えることなく快感に酔わせ、まるで十年選手のようにスムーズに801穴まで到達する――はずなんですが。

そうは問屋が卸しません。
進は普通の男の子で、京平も普通の男の子で、ボーイズラブ業界で生き抜くにはまだまだ修行が足りませんでした。
二人とも普通の男の子なのですから、ノリと勢いだけで上手くいくわけがありません。
初っぱなからあーんなところでは気持ちよくなりませんし、いくら相手が好きでも本能に従って暴走した下半身はそうそう言うことを聞いてはくれません。
当然の帰結として、男同士で迎えた初夜の床は阿鼻叫喚の流血地獄
やー、痛かったね……かわいそうに。
同じ屋根の下にフォローしてくれる同族の仕事仲間がいて良かったね……。
最近はあんまり見かけない展開が、ちょっと新鮮でした。

新鮮ついでにこの作品では女性がめちゃめちゃ存在感を主張しております。
4人のバックにいるパトロネスしかり、瑞紀(もう片方のカップルの受)に情熱的に片想いしたまま諦める気配のない美少女モデルしかり、京平の過去の恋人で、本気でよりを戻そうとしている梓しかり、進に男を自覚させたさおりしかり。
へのへのもへじなんてとんでもない。
自己主張のかたまりみたいな女性がけっこう出てくるのです。
ここまで女性が出張ってくる作品って、そうないんじゃないかなー。
この男女比の片寄りのなさはBLではとても希有な存在だと思います。

しかも、京平と進は、両想いになってからもすんなり幸せにはなれず、両親へのカミングアウトやら進のコンプレックス、京平の過去の女登場等々、山あり谷ありで大変でした。
最後、納まるところにみんな納まってホッとしました。


集めてから一気に8冊読んだのですが、これは一気に読めなかったら辛いと思います。
往復ハガキで続きがいつかを問い合わせたファンの気持ちも分かろうというもの。
(私とYは待ちくたびれてしまった負け組)


読みたい時が読める時。
永遠にフェードアウトしたままにならなくて良かったです。

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