パラダイスより不思議 パラダイスより不思議 (新書館ディアプラス文庫 198)
松前 侑里

新書館 2008-10-10
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ボーイズラブ・レビュー


ワンコ良いですね、わんこ!
今回のわんこは、ちゃんと全身に地肌から毛が生えていて、四本足で歩く由緒正しいお犬様です。
着脱可能な毛皮をベッドの上で脱いだりは致しません。

相変わらず表紙にわんこがいると反応してしまうようです。
おとなしく攻の枕になっているレトリバーこそ、私の財布から五百何十円かを持っていった犯人です。(ちなみにウチの看板犬もレトリバー)
ふふふ。この作品の表紙は人間より毛皮の子たちの数の方が多いほのぼの光景です。


もはや反射神経なのかそこしか適当な場所がなかったからなのか、

見事にタイトルで隠れている受の下半身

に微妙な笑いを誘われます。
上も下もきっちり着込んでるんだし、別に隠す必要とか全くないんじゃ?


……首を傾げてから、そもそもの己の思考回路の末期状態に思い至り、ちょっと遠い目になってしまいました。

そもそもタイトルはヤバイ何かを隠す為にあるんじゃありません!

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。

恋人に裏切られ自殺を図った悠。しかし飛び降りる直前に栄養失調で倒れていたところを、仕事中のペット探偵・貴広に拾われる。貴広は動物の言葉がわかるらしい。飼い猫の口から一文無しである事情を知られてしまった悠は、貴広の世話になることに。だが貴広は動物の気持ちには敏いくせに、人間には無愛想この上ない。それでも共に過ごすうちに悠は彼の不器用な優しさに惹かれてゆき…。

飛び降りる前に栄養失調で倒れるというのもなかなか情けないものがありますが。
こう言うのを一般に怪我の功名と言うんでしょうか。
拾い主が究極の変わり者じゃなかったら間違いなく路頭に迷って野垂れ死んでいたと思われる受は、まれに見る強運の持ち主でした。

なんと彼氏に振られて絶望のあまりこの世にさよならしかけていた受は、この不況の中、何枚履歴書を書いても門前払いされる人々が大勢いるというのに、履歴書どころか遺書一枚で就職+衣食住までゲットしてしまったのです。

いやー、この攻。
なに考えてんのかわからん。
たぶん、なーんも考えてなかったんでしょう。
倒れてる青年が、捨てられた犬と同じように見えていたに違いまりません。
普通、犬は拾っても人間は拾いません。まぁせいぜい、救急車を呼んで付き添う程度でしょう。


さて。
人間以外の動物の言葉が理解できる攻は、人間の気持ちを汲み取るのが苦手でした。
色々と不器用です。
ペット探偵としては超驚異的(いや、普通の探偵の人間の発見率だってもっと低いのかも??)な、発見率90%以上を誇るこの男の手腕も、人間を前にしてはしょぼしょぼです。感情表現が苦手だと人間社会では苦労するよねという見本のような男です。
彼の不器用な優しさが通じる人間がいて良かったですホント。
犬も猫も人より先に逝ってしまいますからねー。


不器用な攻と臆病な受は何とかくっつくわけですが、この1冊で一番心に残ったのは、いなくなったわんこを探し続けた夫婦のエピソードだったりします。

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