きみがいるなら世界の果てでもきみがいるなら世界の果てでも (B-BOY NOVELS)
榎田 尤利

リブレ出版 2008-09
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ボーイズラブ・レビュー


いよいよ完結の漫画家シリーズ。
1巻目のルコちゃんのお話でシメてきました。
1冊目が一番好きだった……というか、1冊目以外のストーリー詳細をきれいさっぱり忘れているっぽいので、ルコちゃんの話じゃなかったら新作とほとんど変わらない扱いになってたはずです、私の中では。
しかしまぁ、どんだけつるつるの脳みそなんでしょうね……そんな何年も前の本じゃないというのに。
魚住くんとかロマンス作家とかはちゃんと覚えてるのになぁ。

ってこれ、昔のことは良く覚えてるけど最近のことはすぐ忘れるお年寄りと同じなんじゃ。 老化早すぎやしませんか?

そんなこんなで軽く凹んだわけですが、本の中でもルコちゃんは色々と凹んでおりました。いやうん、凹めるような神経が残っていて良かったね、ルコちゃん。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

俺のせいで東海林がダメになっちゃう!?ルコちゃんという愛称で人気上昇中のマンガ家・二木は、恋人同士となった今も変わらず、いっさいの面倒を東海林に見てもらっていた。お互いそれで良いと思っていたはずの関係だったが、次々と東海林にアクシデントが起きる。さらに高校時代、二木の世界を焼いていた男・甘利が現われ…。きみがいなけりゃ息もできない—そんな二人の行き着く先は?マンガ家シリーズ最終巻!オール書き下ろし。

このボーイズラブ業界、ラブラブベタベタバカップルは掃いて捨てるほどおりますが、ここまで相手にべったり、仕事から私生活から何から何まで依存しちゃってる受は珍しいんじゃないでしょうか。
ルコちゃんは漫画家なのですが、生活能力はマイナス――つまり何もできないばかりか何かしようとすると事態が悪化する――で、そのマイナス部分をすべてフォローしているのが東海林なのです。
マイナスを埋めるどころか平均以上の数値を献身的に叩き出し、ルコちゃんに文化的な生活をさせることに何とか成功していた東海林。
最終巻のサブタイトルは『東海林の受難』とかで良いと思います。


仕事の都合をねじ伏せてでも、ルコちゃんと海に行く約束を優先させた東海林ですが、さらに不運が重なり旅行は中止。
不可抗力なのは誰の目にも明らかなのにルコちゃんはごねまくります。
いやそこは我慢しようよ、大人としてというより人として


もうこの受ときたら、自己中にもほどがあります。
私生活はすべて面倒見てもらってあたりまえ。
仕事も手伝ってもらってあたりまえ。

「だっておれが嬉しいと東海林も嬉しいんだもん」
だとこのくそったれがっ! 
キサマは生後半年の赤ん坊で東海林はその母親か!


ふう。
蓼食う虫も好き好きと申しますが、何事にも限度っつーもんがあるんじゃないかと愚考いたします。


しかも、ルコちゃんはちょっと痛い目に遭えばいいと思って読んでいたら、痛い目にあったのは全面的に東海林でした。ひでぇ。
肉体的にも精神的にも非常に痛かった東海林。
いや悪くない、アンタは悪くないよ……強いていうならルコちゃんを甘やかしすぎたことくらいだ。そしてそれが最大の原因でもあるんですが、身から出たサビと断言してしまうにはあまりにも哀れなので言いません(言っちゃったけど)


大好きな東海林に自分の不注意で怪我をさせてしまい、冷静かつ的確な指摘をくれた友人たちのおかげもあって、これはちょっとおかしい、このままだとおれは東海林を駄目にしてしまう、それは嫌だ。と、ようやく現実を見る気になったルコちゃん。
気付けて良かったね。
でも当て馬に使われた高校時代の先輩・甘利はもう当て馬以外の何ものでもなくて、ちょっとかわいそうでした。
東海林の次くらいにはかわいそうだったと思います。


ルコちゃんが人並みの感覚を身につける為だけに大変な思いをした東海林は……苦労性というかマゾというか。いくら好きでやってるとはいえ、その献身的に世話を焼くあなたに後光が差して見えました。
ほんと、お疲れ様でした

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