獅子は獲物に手懐けられる獅子は獲物に手懐けられる
榎田 尤利

大洋図書 2008-08-28
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ボーイズラブ・レビュー


久々に榎田さん作品の感想を書くような気がします。
これは「犬ほど素敵な商売はない」と設定世界が一緒です。
ついでにイラストレーターも同じ志水ゆきさん。
共通項は「秘密クラブから派遣されてくるペット(もちろん人間)」

が、前作とはがらっと雰囲気が変わってます。
どちらか一方だけでもまったく問題なく読めます。
個人的には前作の方が好みでした。

今回派遣されるのは攻で、しかもライオンでした。
犬じゃなくてライオン。

なんかもうこの時点で、そこはかとなく危険な香りがします。
だってねぇ、ライオンなんて日常生活を送る上での恋人としては最低ですよ。
狩り(仕事)はしないし子どもの面倒は見ないし、そのくせご飯には真っ先に食らいつくし……。オスが役に立つのなんて、縄張り争いで外敵と戦う時くらいです。
非日常に際してはとっても頼りになるいい男なんだと思います。

そして困ったことに、この作品ではまさに、その非日常の中で受と攻が出会ってしまうのでした。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

他の男を気にしてる場合か?俺だけ見て・・・俺だけ感じていろ」
呼吸器内科の医師である鶉井千昭は、ある夜、自宅で突然見知らぬ男に襲われた。
それが会員制デートクラブ『PET LOVERS』のライオン、蔵王寺真との出会いだった。
足首に見えない鎖を繋がれている千昭と、金で愛を売る不遜なライオン、真。
千昭の義兄の企みの下、不本意な出会いを果たすようになる。
しかし、ある過去が千昭を苦しめ・・・究極のビーストラブ。


痛いよ義兄さんっ!!
いやもうアンタ、限界超えて色んな意味で痛すぎますよ。
思うにボーイズラブにおいて、愛のない暴力が過度に出てきちゃいかん。

だって萌える前に痛いんだもん!
BL読んでて、理不尽に痛すぎて現実に引き戻されるとか切なすぎます。
もうちょい酔わせて下さい……。

たとえばその痛い行為がいずれ報われるとか、二人が心を通わせる為に必要な試練だったというなら激痛だろうが別に良いんですけど。(いや、良くはないんだけど、なんとか耐えられる)

しかしだ。
主役級たる受に、恋愛のスパイスになるべく存在しているはずの脇役が本気で噛みついちゃいかんだろ!主菜の上品なさっぱり魚料理に、香辛料の効きすぎた添え物をくっつけるよーなもんじゃなかろうか。
おまえ出しゃばっとらんで、もうちょっと小さくなって隅っこに控えとれ!
という感じでした。
とりあえず、このサイテー義兄の露出をもうちょっと押さえて欲しかったです。
この男は、キャラとして云々以前に人として許せませんでした。
バレないようにやっちまって、その辺の林に埋めてやればいいのにとか、最後の方はちょっと本気で思ってました、いやもうマジで)


で、非日常で良いところだけかっさらっていくライオン男のシンは、まぁいい男でした。
受のピンチに颯爽と現れて群がる敵をばったばったと薙ぎ倒し、お姫様を救出。
……そしてお姫様が完治する前に病院のベッドで致してしまいハッピーエンド。

えっと。
このライオン男、なかなか男前で立派な体格の、俺は肉食獣です! といわんばかりの攻様なんですが、作中で、


「大丈夫、俺は『待て』のできるライオンだ」


とかほざいてんですよね。
が実際は、受が入院している病院の病室で、駄目だ。限界だ。と言いだし、ここは病室だと焦る受に「鍵はかけた」と言い放ち、そのまま押し倒してしまいました。
鍵がかかってりゃいいってもんじゃないでしょうに。 
つか、来客中に施錠される病室とか普通に考えて怪しすぎますから!

まったく。
躾が行き届いていませんね

大きなペットの躾は初めが肝心なのです。
晴れてつがいになった暁には、受はまず『待て』から教えるべきだと思います。

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