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水壬 楓子 汞りょう

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ボーイズラブ・レビュー


私は自他共に認める人外モノ&ファンタジー好きです。
天界魔界死神悪魔天使吸血鬼だってどんと来い!
死神は人間の寿命が見えるし管理できるし、悪魔は人間の魂をゲットするのに大忙し。
今更リンゴ好きの死神が人間界で気まぐれに名前を書いたら死ぬノートを落としたって驚きません。

でもねー。
リンゴ好きの死神意外のあれこれがまとめて1冊にぶち込まれていると、それはあの。
いくらステーキが好物でも3食続いたら胸焼けます。


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

死を司る死神と、永遠の生を生む吸血鬼とは天敵同士。ところが、怜悧な美貌の死神・碧は、気まぐれに吸血鬼の子供を拾って育てることに。やがて、身長も体重も遙かに碧を追い越した真冬は、満月の夜、血を求めて甘えるように唇を寄せてくる。碧は血を吸われるたび、首筋に真冬の抑えきれない欲情を感じて!?人間界に密やかに棲まう闇の眷属たちのラブ・ファンタジー。

真冬に拾ったから名前は真冬という安直なネーミングをされても文句ひとつ言わない健気な吸血鬼と、優等生だったのに養い子のせいでうっかり道を踏み外して出世街道から転がり落ちた元エリート死神のお話でした。

もう。
使い魔の黒猫は出てくるし天使と悪魔は死神を間に挟んで火花ちらすし、なのに舞台は現代日本というもの凄い世界観なのです。
人間界勤務の死神がライバル蹴落とすために、人の魂を使ってあれこれ画策したりしてくれます。いやそれ、アンタが出世の道具に気軽にポンポン横流してるその魂、(たぶん)善良な一般市民の人生ですから! と、なんか別の意味でハラハラドキドキ。

連行された死神(受)を助けに異次元に殴り込みをかけて素手で結界にひびを入れる非常識な吸血鬼(攻)とか、もうどうしてくれようかという感じです。
二人の恋の行方より、世界秩序の行方のほうが心配でした


純粋な人間より、人外の割合の方が明らかに高かった本作。
いやもういっそメイン舞台ごと異次元に引っ越せば、ステキに弾けた愛すべきトンデモ本になったかも……と思いながら読了しました。

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