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ボーイズラブ・レビュー
監禁偏愛モノです。
男ばっかり、血縁混じりの三角関係でまさに泥沼です。
兄弟が一人の男を巡って火花を散らします。
閉じ込め溺愛系のお話、実は好きかも知れないと最近気付きました。
ここのところ、閉ざされた空間であれこれする内容の話を立て続けに何冊か読んでいました。どれもこれもけっこう好きです。
この作品は、長髪美形健気受が可愛かったです。
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文です。
十歳になった日、広瀬家跡取り・秋信の愛人として囲われた深。鎖に繋がれ監禁陵辱される日々に少しずつ壊れてゆく深を支えていたのは、秋信の弟・隆信との優しい思い出だけだった。だが十六年後、隆信は逞しく成長して現れた―肉欲に溺れ母を死に追いやった兄と、深に復讐する為に。彼は兄から深を奪い、夜ごと憎しみをぶつけるように蹂躙した。身体は手酷く抱かれながらも、深の心は少年だった頃の隆信の記憶に縋ってしまい…。
いやもう、兄弟揃って自己中にもほどがある!
特に兄貴。
下男の息子を手込めにして妾として囲った挙げ句、弟に嫉妬して精通もまだの子どもに男同士のギシギシ見学なんかさせるんじゃない!
おかげで見られた方も見せられた方もずいぶん長くトラウマ抱えて生きる羽目になったのです。
しかも、囲うだけでは飽きたらず、部屋に鎖で繋ぎとめるという徹底ぶり。
コトを為す時に邪魔じゃなかったのかなぁ。
つーか風呂とかトイレとか着替えとかどないしてたんですか。
そのたびに付けたり外したり? 使用人もご苦労なことです。
しかも、男妾なんかを囲ってしまった跡取りにあれこれ口出ししていた母親は、実の息子にはめられてあっけなくお亡くなりに。まぁ、最初に見て見ぬふりをしたのが悪いと言えば悪いかもですが、ツケが高くつきすぎた感はあります。
で、そんなろくでなしな兄貴に復讐を誓った弟は、努力と執念で兄を追い落とし、家も会社も受も丸ごと自分のものにしてしまいます。
その昔、動転して「汚い、大っ嫌いだ」と罵った美しい青年を手に入れ、復讐の一環だとばかりにひどく扱います。
この弟が兄よりひどかった点。それは受に身を売らせたこと。
接待名目で人間差し出すってそれは駄目だろう、人として!
つーか受! 深! いくら人格崩壊寸前だからってそこまで諾々と従うな!
ホントにやきもきさせられました。
つーかこの二人が過去と現在のしがらみあれこれを乗り越えて両想いになれたのはほとんど奇跡だと思います。いや、最初から両想いだったのに、自覚するのと自分の気持ちを認めるのに時間がかかりすぎただけなんですが……。
気持ちはあっても修復不能なほどこじれてすれ違いっぱなしとか、現実でもよくあることなので、最後の最後で何とかなって良かったねぇと。
ちなみにダメダメな兄貴は最後までダメダメなまんまでした。
すべてを失って、男に昔の情人を売り渡してまで這い上がろうとしますが、結局、計画は途中で頓挫して路頭に迷ってました。
ハッピーエンドが基本のボーイズラブの法則は彼の人生に適用されなかったようで、ちょっと可哀想だなーと思いました。
↓WEB拍手です↓
アキミ
やっぱり、身を売らせるのはいただけなかったです。いくら復讐の為とはいえ… ていうか、それを引き受けてしまった受が切ない(ToT) いとう由貴さんはこれで二冊目なのですが、受がとことん追い詰められる系がおおいのかな? と思ってしまいました。