ひんやり廊下、万華鏡 (スーパービーボーイコミックス)ひんやり廊下、万華鏡 (スーパービーボーイコミックス)
池 玲文

リブレ出版 2007-08-10
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ボーイズラブ・レビュー


いつの間にか新刊が出ていたようです。
この作家さんは基本、シリーズじゃなく単発ものなので、ついチェック漏れしてしまうらしい……気をつけないと。

今回は短編集でした。
なんか詩的なタイトルなのに、オビはアレです。

「オル○ズムが止まんない。
だってあなたが好きだから」


文脈として前後のつながりが正しいのかどうか微妙なところです。


というかね。これはボーイズラブ全般に言えると思うんですが……。
伏せ字しないとエ口トラバが飛んでくるような単語をオビで使うのはいい加減止めて頂きたい。
平積まれたら本屋さんで誰でも見れる場所に並ぶんですよー!!
下手に目をつけられないようにちょっと自重した方が良いんじゃ、と余計な心配をしてしまうのです。なんか今色々なところが騒がしいですし。


以下ネタバレ妄想注意!


舞台が同じでメインカップルが入れ替わり立ち替わりする形の短編でした。
今更のように思ったんですが、短編集ってちょっと苦手です。
頭悪いので、短いページ数でキャラの関係を把握して萌えるところまで短距離全力疾走できないんです。
このカップル良いなーと思ったら、最後までその人たちのお話をまったり楽しみたいのです。

今回は、タイトルにもなっている一発目の短編が良いなーと。
あの詩的なタイトルは、放課後に人気のない廊下で教師に押し倒された生徒が、床が冷たいと感じ、突っ込まれたまま窓越しに空を見て、現実逃避に「空が万華鏡みたい」と思ったところに由来するらしいです。
別に感動的なエピソードを期待していたわけではないけれども、なんだろう。
即物的にもほどがある! という感じです。

というか、先生、一体どういう流れで教え子を廊下に誘い出して頂いてしまおうなんて思ったんですか、真面目な顔に眼鏡でカムフラージュしてほんとにこのスケベが!
しかもそのあと、

「もう来ないと思ってました」

とか言ってるクセに、しっかり小道具まで用意してまた致しちゃってるじゃないの。
もう来ないとか絶対思ってないだろ!
……来ないと思ってるのにエネマグラとか持ち歩いてるんだとしたらそっちの方が凄いけど。
どっちにしても、こんな先生が学校にいたらいやだなぁ。

受がひたすら無垢で無邪気でウブで可愛いんですが、先生つけ込みすぎです。

「先生、なんで縛るんですか」

「先生、それなんですか」(エネマグラです)

「先生、僕、身体おかしい」

「先生、怖い、キスして下さい」

なんか文頭に先生が付くとすべての台詞が2割増でエ口く聞こえるのは気のせいじゃないはず!
しかも受くんにこんなに可愛くキスをおねだりされるに当たって、
「勘違いさせないでくれ」
とか、えらい自分勝手なこと抜かしてます。
勘違いしてるのは間違いなくアンタだろう! と思わずもらしてしまいました。
たぶんこのカップルは、「カラダからはじまる恋もあるよね!」方式でこの先も楽しく暮らしていくのでしょう。
なんかやったもん勝ちっぽくてどーだろなーとも思うんですが、当人が幸せならそれでも良いのかも?

この話、確かにひたすらやってるだけなんですが、この1冊の中では1番萌えました。
よってその先の感想は割愛します。
色んなカップルがあって、どれかは気に入る……といいな。
大ハズレはないぶん、大当たりにもなりにくい気がします。

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