Missing You うえだ 真由 新書館 2008-01-10 売り上げランキング : 16686 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ボーイズラブ・レビュー
可愛い可愛い!
これはとてもイイ感じのボーイズラブでした。
表紙も手に取りやすい安全設計。
まぁ、雪のちらつく外でお洋服脱いじゃったら風邪ひきますしね!
切なくてあったかい、両想いなのにお互いになかなか告白できないお話です。
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文です。
幼い頃の事故のせいで片脚が不自由な優奈。事故に責任を感じ、大人になっても優奈の世話を焼き続けている克治。互いに惹かれ合う二人だが罪悪感から恋心を打ち明けることもできぬまま、不自然な関係を続けていた。だがある日、優奈の兄・和紀に克治の気持ちが知られてしまう。克治の親友でもある和紀は大激怒。克治に、職場から再三出ているアメリカ転勤の話を受けるよう強要するが…?ドラマティック・ラブ。
ええ、簡単に説明を致しますと。
兄とその親友が可愛い弟を巡って火花を散らすというあらすじです。
身内混じり、男オンリーの三角関係。
爛れてますねーステキですねー。
なにしろ、兄は片足を悪くした優奈(いやもう女の名前にしか見えませんよね。音も字面も)の足を治したい一心で整形外科医になり、親友は優奈が将来困った時、力になれるようにと弁護士になってます。
こいつら本気です。
特に親友の方、克治(攻)!
クソ忙しい仕事を途中で抜け出してまで、すでに就職している優奈の送迎を続けていたり、恋心を忘れようと留学してみたけどやっぱり無理だったので2年のところを1年で終わらせて帰国するし、もうどうしようかしらというくらいの溺愛っぷりなのです。
そこで黙ってないのが兄貴。
自分の親友が可愛い可愛い弟に良からぬ気持ちを抱いていると知って大慌て。
「お前みたいな男と二十年来の親友だってこと、すごく自慢に思ってる。
でも、優奈をやるわけにはいかない」
としっかり釘を刺します。
俺の可愛い弟をお前なんかにやるもんか!
という切なる心の叫びが聞こえてきそうです。
元々、思いを告げるつもりの無かった克治は、告白なんてしないから安心して、と軽く流しますが、兄は今度は優奈も克治が好きだと知ってもう顔面蒼白。
「まさか――優奈、克治に変な気持ち持ってんじゃないだろうな!?」
「ホモは駄目だ」
「まず彼女作れ。そしたら克治のことなんかすぐに忘れるから」
……なんかこう、見ていて気の毒なほど涙ぐましい説得が行われるのですが、ここで説得されちゃったらこのジャンルの作品として成立しません。
兄の努力の甲斐無く、二人はついにお互いの気持ちを伝え合い、恋人に。
で。
お互いの気持ちを確かめ合って抱き合ってキスをして……
そのままホテルに。
いやさ。
いっつも思うんだけど。
告白→間髪を入れずベッドに直行というこのパターン。
(頻繁にベッドまですら待てないカップルも出現しますが)
いいの!? ほんとにこれで良いの!?
どんなに両想いに至る道が長くても、それまでは幼馴染みの友人同士でも、切なくプラトニックな関係が続いていても、告白したら関係なし?
男同士ってこういうもんなの!?
だってさぁ、たぶん女の子相手に同じことやったら相当な顰蹙モノですよ。
男「俺、お前のこと好きなんだ」
女「嬉しい、私もずっと……」
見つめ合う二人。
そのまま手とか繋いで歩いたりする。
で、そのあと、
男「俺はもう我慢しない」
女「え?」
男「お前も俺のことが好きだと分かった今、もう我慢する理由なんか無いからな」
とか言い始めて、俺の部屋で良い? それともホテル行く?
とかやってみなさい。
かなりの高確立で次の瞬間捨てられますよ、たぶん。
(まぁ、新條まゆあたりのマンガなら問題なくホテルまで行きそうですが)
なんでこの台詞の主が「攻」「受」に変わっただけでまったく違和感なくなるんだろう。
つーか、告白したら待ったなしは最早やボーイズラブ界では常識と成り果てておりますが、こんなに切なくてほんわかな話まで!
ブルータス! お前もか!
という気分です。
まぁ今更っちゃ今更な話なので良いんですけれども。
ちなみにイラストがえらい可愛いです。攻までかわいい。
何も知らずに絵だけ見たら高校生×中学生くらいにしか見えません。
↓WEB拍手です↓
アキミ
膝うちすぎてイタいです!!!よくぞ言ってくださった!
私もこの本、とっても好き♪と思って読んだんですけど、
「・・・なんでいきなりホテル直行・・・」
って引っかかってたんですよねー。
ハッキリ言ってもらえて満足!ありがとうございました〜。