東京BABYLON―A save for Tokyo city story (1)東京BABYLON―A save for Tokyo city story (1)
CLAMP

新書館 2000-11
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ボーイズラブ・レビュー


一般人の友人から、ツバサでは神威と昴流が双子設定だと聞いてぶっ飛びました。
いやおいちょっと待てなんだそれ……それはないだろっ!!
その友人はツバサとホリックしかCLAMP作品を知らないと言うのです。
そ、それは、どーなんだ。

「ちがうの!! それは違うの! 正しくないのっ! 昴流くんはそういう人じゃないのよ。東京BABYLONの昴流くんが一番正しいの!」

被っているネコのことも忘れて鼻息も荒く主張してしまい、

「読みたい」

と言われるに当たってハッと我に返りました。
やべぇ、ニアホモのこの作品、これは果たしてアウト? セーフ?
……私の感覚ではギリギリアウトなんですけど……。
でもなんかその場のノリでお貸しすることになってしまいました。
そして、これまで怖くて触れなかったツバサの最初の何冊かが、交換のような形で私の手元に。いったいどこで間違ったんだろう。

そしてその友人は速攻で読了して、「なんか絵が違うねー同じ人が描いてるのに」という無難な感想とともにバビロンを返却してくれたのに、私はまだツバサに手を付けられず、戻ってきたバビロンを久々に読み返してしまったのでした。

私の本棚で殿堂入りしているこの作品。
読んだのはボーイズラブを知るより前のことでした。
CLAMP作品の中では私はこれが一番好きです。

以下ネタバレ妄想注意!


現代を生きる陰陽師一族、皇一門の現当主である昴流と、双子の姉の北都ちゃんと、陰陽師でありながら暗殺を生業とする桜塚護である星史郎さんのお話。
星史郎は人を殺しているところを子供だった昴流に目撃されしまいますが、気まぐれをおこして昴流を殺さず、賭をします。
君と僕がまた会えたら、1年間だけ一緒に過ごしましょう。その1年で、僕が君を特別だと思えるようになったら君の勝ちだから殺しません、でもそうならなかったら殺します。

という、かなり一方的で押しつけがましいくせに賭けさせられるのは命という割に合わない勝負でした。
人とモノの区別が付かない星史郎は、再会から1年、好きであったならとるであろう態度で昴流に接し続けます。が、結局のところ本当に好きにはなれなかったのです。
逆に昴流にとっての星史郎が特別になってしまいました。

そんなこんなで、昴流は初めて好きになった人に殺されかけ、それを阻止しようとした双子の姉北都ちゃんは星史郎さんに殺されてしまうというとんでもないトラウマを負わされてしまいます。
一気に暗くなり、人格まで変わったんじゃねーかと思われた昴流は、タバコを銜えて、
「あの人だけは僕が殺します」と決意。 
そこで物語は終了します。
(彼らの本当の決着は、この次の作品「X」で付くのですが、そもそもその作品が連載ストップしたまま再開の目処も完結の目処も立っていないのでここでは触れないでおきます)

好きじゃないのに好きなフリ。
好きじゃないのに、全てに優先して守る。
笑顔の裏にある影に気付きながらも、星史郎が弟の特別になれる可能性を考えて、あえて二人を近付けた北都ちゃん。
いつでも傍にいて慰めて励まして甘えさせてくれた星史郎。
罠にはまるように星史郎のことを好きになってしまう昴流。
それがすべて賭けの産物であったという大きな裏切り。

でも、北都ちゃんを殺したあとすぐ昴流を殺しに来なかった星史郎は、実は自覚してないだけで昴流のことを他とは違うものとして認識していたんじゃないか。
殺すと決めたけど、昴流はやっぱり星史郎さんの事が好きなんじゃないか。

なんてことをぐるぐる考えてると、どうにも忘れられず、妄想が頭から離れてくれません。で、気付いたら読み返してみたりして、やっぱり同じ事を考えて……。
このどうにも救いようのない話が、結局のところ好きなんだなーと思ってしまうんです。


各話ごとにちょっと当時の社会問題っぽい話題が盛り込まれていて、北都ちゃんがそれに対して色々と意見を申したりもします。
説教臭いけど、その青臭いストレートさはちょっと貴重だなーと思います。
久々に読んだけどやっぱり好きでした。
CLAMP作品のなかで、これだけは売り飛ばせないのです。
たぶん、これからもずっと持っていくんだろうなぁ。

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