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砂漠の夢に揺られて砂漠の夢に揺られて
新田 一実

イースト・プレス 2007-03
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ボーイズラブ・レビュー


地味にぼちぼち続いているアラブ祭りのレビューです。
中途で放置の企画が多いブログです。
……やる気にムラがあるのでなかなか一気にどどーんといかず、気分が乗った時に単発で平行進行がデフォルトになってます。
いつかはどれも終わらせる気ではいるのです。

今回のアラブは新刊コーナーに並んでいたのを表紙買いしてきました。 受攻両方、慎ましくきっちり衣服を身につけていたのと、飛んでる鷹が格好良かったのでそのままレジに直行。
が。
作中ではワニの骨はわんさか出てきましたが、鷹はいっぺんも出てきませんでした。
こーいうのを俗に表紙に騙された、と言うのだと思います。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
灼熱の砂漠地帯──ワニの化石発掘作業を手伝うことになった 古生物学者の秋一郎。ある晩、星空に魅せられてテントを抜け 出した秋一郎は、精悍なベドウィンの鷹匠の青年、ジル・ジー にいきなり組み敷かれ、熱烈に口説かれてしまう。俺のこと何 も知らないのに…!? だが、褐色の獣の手管は巧みで…。その 頃、政情不安を抱えるこの地で、発掘を巡り怪しい動きが…。 バーニングLOVEアドベンチャー

どーでもいいけどバーニングってなんやねん。
バーニングLOVEアドベンチャー。直訳で萌える……じゃない、燃える愛の冒険
いやいや、愛に燃えないで仕事しろよ、化石の発掘をっ!

まぁ、受はとっても真面目に骨になった千年単位で年上のワニと愛を語らっていましたが。 ページ数的に、人間の攻に愛を語ってた分量よりもワニへの思いを語ってた分量の方が多かったと思います。
その意味ではちょっと哀れな攻だった気もしますが、いい歳した大人がワガママぶっこいて人の仕事邪魔するのは止めなさい。

今回は受の秋一郎が素敵でした。
人間に興味がないんです、というのはちょっとあんまりなので、女に興味がないんです。
と言ったら、ホモ設定が研究室で定着。
美人な秋一郎くんは、そっちの人から声がかかるようになったりと微妙な弊害もあったようです。しかし、彼はなんかすごかった。
明らかにネコな顔した彼に誘いを掛けた男は、突っ込む気満々でいたのに、
「おまえのケツに興味はないと、二重の意味で妄想を打ち砕」かれています。
秋一郎曰く、
「ケツ掘るくらいだったら、永久凍土を掘る方が楽しそうだ」
だそうです。
比較対象が激しく間違ってる気がします。
結局、掘られる側で落ち着いてしまうわけですが、なかなかに茶目っ気のある受くんでした。

さて、秋一郎くんは、攻と話している時でも唐突に自分の世界にトリップして戻ってこなくなります。
しかも、わりと頻繁に。
たまりかねた攻は言いました。

「……お前は……。妄想の世界に生きているな……。妄想に喰われるな」


いやー。
私にむかって言われてるんじゃないかとドキドキしてしまいました。
ちなみに攻は単純に、その妄想対象が自分じゃなくワニなのが不満だっただけだと思います。


アラブモノとしては、非常におとなしい作品でございました。
なにしろ、アラブ方程式を構成する要素である拉致監禁調教の三連コンボがなかったんですから!
控え目というか慎ましいというか。
思うに、派手な部分がないと純粋に物語を追いかけることになって、騙しが効かないんですよね……。どのジャンルにも言えることな気もしますが。

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