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愛でしか作ってません愛でしか作ってません
後藤田 ゆ花

講談社 2007-04-11
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ボーイズラブ・レビュー


ついに出ました。
これなんてビブロス本。
早速読みました。思いました。

今この精神状態で読む本じゃなかった……。
リビングで読んでたら、おかしな声を無意識のうちに発していたようで、弟に、
「アキミねーちゃんが壊れた」
と呟かれました。
景気づけにバックに竜頭町三丁目 帯刀家の迷惑な日常の、作家を宥めて原稿書かせる涙ぐましいシーンを流しながら感想書いてます。
嗚呼。

今月末には校了しないとずれる発行日、降りてこない掲載決定商品、サンプルが着かない為、商品写真の撮影できず真っ白な箇所が目立つ原稿、消し飛ぶ休日と迫り来る〆切、日に日に病んでいく編集サイドと焦りが空回るMDサイド。

そしてトドメにこの本の中の一文。


「〆切を遅れてもいいのは作家だけです!」


作家は遅れてもいいのかよ!?
ウチでいうなら、
MD(←商品の仕入れとか在庫管理とか売り方とか決める人)は遅れてもいいのかよ!? という感じです。

でもあれだな……遅れて良いというか、もう遅れても仕方がないと諦めが入っているだけなんです、たぶん。遅れるのが常識という、各方面の悲しい認識がすでに成立しちゃっているというか。
ちなみにこの本も、このセリフを実証するかのように発売日延期&タイトル変更という輝かしい前科を持つこととなりました。有言実行の見本です。


で、版元倒産→編集部丸ごと身売りをまんま小説にして「フィクションです」と謳ったこの作品。せめて半フィクションです、くらいにすればいいのに。
内容に関しては、なんか流れはメチャクチャでしたけど、勢いとパワーと現状の自分に重ねての悲しい共感で気付いたら読み終わってました。

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。

わたしたちを、買ってください!
「去年の春、講談社にやってきた女性2人に、いきなりこんなお願いをされました。そこからこんなおかしくて、かわいらしい小説が生まれるとは、思いもよりませんでした」(担当編集者) 実際に起こったBL(ボーイズラブ)業界最大手の倒産をきっかけに生まれた長編青春小説。 親会社の赤字のあおりを食って倒産した、ボーイズラブ(BL)出版最大手のYOIカンパニー。「このままでは、わたしたちの読者の読み物がなくなっちゃう」。そんな使命感から、女性編集者たちの出版社行脚が始まった。雑誌と自分たちを、丸ごと「買ってもらう」ために。 ギリギリ進行の校了作業の合間を縫った「身売り作戦」に勝算はあるか? そして腐女子と文芸編集者の恋は成就するのか?


いやもう、間違いなくビブロスの話だろう……。
大筋は間違いなくノンフィクションじゃないのかこれ。
所々に倒産前後に流れてきたあれこれの事情が微妙に見え隠れしてるよ……。
どこまでなら書いても良いのかさっぱりわからんのでその辺はそっとしておくとしても、フィクションという名の猫を被ってこんだけぶちまけたら、もう充分なんでないか


講談社なんか、申し訳程度にK談社だし、角川も川角だし。
伏せる気なんかこれっぽっちもねーだろあんたら!
作中では講談社BL文庫とビブロスの編集さんが、
「結構激しい挿し絵を付けてますよね」
「いえいえ、君たちには負けるよ」

と、頭痛のしそうな会話をなさっていました。
挿し絵の肌色率(?)で勝ち負け判定をするのはお願いだから止めて下さい。
でもまぁ確かに、講談社よりビブロスの方が露出は激しい気がします。

あと最後まで気になったんですが、恐山出版って、どこのことだろう。
児童書とかを中心にだしてる会社……ポ○ラ、は違いそうだし……。
いくら際物マイナー系のジャンルだと自覚していても、自分が好きで作ってる本をあそこまでボロカスに言われたら悲しいだろうなぁ。


ぐさっと来たセリフ。

『文芸、なんて決まったものはないんだよ。君がこれから書くものが文芸になるんだから。――そうだろ?』

これ、何に当てはめても使えそう。
『ボーイズラブ、なんて決まったものはないんだよ。君がこれから書くものがボーイズラブになるんだから。――そうだろ?』
ほら、違和感ないし!


で。結局、作家さんの原稿は流出することなく全部本人の元に戻ったんでしょうか。
全サテレカ3千部、読者に行き渡ったのかなぁ。
よかったね、発送が3万部じゃなくて(←万超える手動発送は死ねる)。
ビブロス編集部は大所帯という話ですが、それでも担当作家さんは30~40人いるのか……。取り立て、大変そう。

つーかこの作家さん、間違いなくビブロスの元編集さんなんだろーなー。

本全体から、萌えに対する思い入れとボーイズラブ業界への情熱が迸ってました。
なんか、今後のこの業界のこととか色々考えてしまったのですが、書いてたらえらいことになりそうなので、別エントリで書きます。

この本自体は、あのボーイズラブ業界を震撼させたビブロス倒産の裏側を覗けた気分に浸れるという意味で、とても面白く興味深いものでした。
腐女子なら色んな意味で楽しめると思います。
(この会社はあそこのことだ、とか、あの全サ発送の裏はこんなだったのか、とか、修羅場中の作家ってえらいことになってるんだ、とか、生傷治りきらんうちに本にして良かったのかとかなんかほんとに色々。)

でも……個人的には一人称「あたし」は勘弁して欲しかったです。

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