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公使閣下の秘密外交公使閣下の秘密外交
新田 祐克

大洋図書 2006-12-27
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ボーイズラブ・レビュー(コミック)


まず装丁でびっくり。
カバーが透明ビニールですよ。
なにこの気合いの入り具合。

この作家さんは「春を抱いていた」シリーズで有名な方ですが、私はこっちの方が好きです。

タイトルは品良く「秘密外交」とかなってますけど、作中では身も蓋もなく

股間外交

と表されていたりして、オイオイという感じ。
(各話のタイトルが楽しいんですよー。禁欲政策とか。
お堅い単語に崩れた単語をくっつけると、イヤらしさの二乗ですよね!
言うなれば見事な身体を制服できっちり隠した感じでしょうか。
見えないからこそ掻き立てられる妄想というやつで。)

新田さんの絵は実はちょっと苦手なんですが、この作品はとっても楽しめました。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
「未来の義弟にひとつ秘密を持ってもらおう」 優れた能力と容姿故に、若くして在タイ公使として活躍する吉永孝司。 外務省の実力者を父に持つ名家出身の白石智宏。 将来の義兄弟として出逢ったふたり・・・ 白石が新人外交官としてタイにやってきたことから男としての矜持と能力を賭け た戦いが始まる!!

ええ、身も蓋もないことを言わせてもらえば、

権力の為に姉と結婚し、己の欲望の為にその弟と不倫関係を続けることにしたやり手の外交官のお話です。
姉弟そろって美味しく頂いてしまう吉永公使。
外交だけでなく恋愛面の駆け引きにも辣腕をふるいます。
まだまだ新米で駆け引きも情報戦も初心者の白石くんは、持ち前の素直さを発揮して直球勝負で頑張りますがお話になりません。
振り回されっぱなしです。

つーか、末端の外交官にまで「股間外交するらしいぜー」とかいう噂が出回っちゃうくらい派手に色々動いてる人が、よくそんなにポンポン出世できたなオイと思ってしまったり。
作中には実際に股間外交(しかしはしたない言葉だ)しているところは描かれていないので、真偽のほどはは謎ですが……。
火のないところだろうと煙が立ったら最後、みたいな世界のはずなのにそれで良いのか。

しかもボーイズラブ界では横紙破りな事に、コイツは結婚と恋愛をすっきり割り切って、弟との関係は継続したまま姉と結婚する気満々です。
すごいなー。
リアルタイムに結婚と恋愛を描くボーイズラブコミックなんて前代未聞なんじゃなかろうか。
個人的には、吉永公使には最後まで恋に溺れきらずに良き夫、良き外交官として国益の為に尽くし、わりと早死にして最後の画面で白石くんに「最後まで俺だけのものにはなってくれなかった、でもそこが云々」みたいなことを言わせて欲しい。
下手な良心を発揮して嫁相手にカミングアウトしてしまい、ありきたり且つ泥沼修羅場展開……というのはちょっと美しくないので見たくないですねー。

続くらしいので、今後の展開に期待。



あと、吉永公使が岩城さんに見えて仕方ないのは私だけでしょうか?
似すぎですよっ!!

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