梁田家の食卓梁田家の食卓
染井 吉乃

学習研究社 2006-09
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ボーイズラブ・レビュー


もえぎ文庫、買ったの初めてかも……。
というか出版元見てぶっ飛びました。

学研かよ!!

あの、オバチャンが教材運んでくる学研!?
私が小論添削のバイトしてたあの学研!?

あんたボーイズラブにまで手ぇ出してたのかっ!!


そして、本書と同時発売だそうな作品の紹介が帯にあってそのタイトルが、

「恋のお作法、お教えします」

そーかそーか……そんなことまで教えてくれるのか学研……。
幅広すぎないか学研……。


ええと、落ち着け私……。
ちょっと風邪ひいててテンションが変です。
昨日は晩飯も食わずに7時過ぎに布団に入って、薬が効いてきた頃に起きだして活動するつもりが目覚めたら朝でした。貴重な休日前の夜が消し飛んじゃったのでした。
でもその割に熱が下がってないので、あんまり頭が動いてないかも知れません。


さて、作品の話をします。
今回は珍しく書店で購入。
しかも帯の文句で購入。


「俺さぁ、オヤジのコトが好きだ」


近親相○ホモ大好物の私が手に取らずにおれようか?
そんなことあるはずがない!
イラストも好みでしたし、作家さんの名前にも見覚え(間違いなくYの本棚で)がありました ので、特に躊躇うこともなくレジに向かう私。
だって男二人の表紙だったけど、ちょっと攻の手が受のネクタイに絡んでたけど、でも二人ともちゃんとお洋服をお召しになっていたので。……なんかどんどん羞恥心が消えていってる気が。

そして大当たりでございました。
少なくとも「萌」の一点だけを基準に本作を語るなら、今年度の最萌ボーイズラブかも。


以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。


高校二年の勝伊は、三歳の時に自分をひきとって育ててくれた養父・梁田伊月が、ずっと好きだった。春休みのある日、朝食の席でついに告白!しかし軽くいなされてしまう…。義父への恋心が募る勝伊の前に、実父・紀彰が現れる。伊月にとって勝伊は邪魔な存在だから、離れるようにという紀彰。その目的は…?親と子、また人と人との絆を描く、新世代ホームドラマ。


いや紹介文……新世代ホームドラマて!
こんな父子が新世代と銘打って増えてもらっても困る。
萌死ぬじゃないか!


なんというか、相当複雑なお家柄あれこれが絡んだり、じめーっとした男と男と男の痴情のもつれがあったり、なぜかそこに女性が絡んで子どもが産まれてたりと、相当、重たい話になりそうな舞台設定だというのに、軽々と話は進んでいきます。
実にリズミカルに軽妙に明るく、お話は進行します。
だからといってラリパッパなこともなく、適度にシリアスなあれこれもあり、最後は見事にハッピーエンドで締め括られるわけですが……。

もう受の父上様がですね。
私の萌ツボ、ホームランというか超ド真ん中、ストレートの剛速球三球三振で完敗というか。
見た目も性格も好みで!
年上受けってあんまり好きじゃないんですが、関係なかった……。
攻の息子も可愛くて好みでしたが、しかしそれ以上に素敵なお父様でした。

朝食の席であっさり軽く真剣に愛の告白してきた血の繋がらない息子に対して、

「情緒の教育には人並み以上に気を遣っていたつもりなんだけど。朝ご飯を食べながら、父親に告白するとは。君は情緒をどこに置いてきたんだ?」

なんて言ってしまう人なのです。
私があなたに訊きたい。

息子に愛の告白をされて、この返答。
あんたいったい緊張感はどこに置いてきたんだ?

そしてあれこれドタバタがあったあとの誘い文句にも悶えさせられました。
近親相○ホモならではの背徳感というか色気というか?

「私の名前を呼んで、勝伊。…呼べたら、今夜からは私の寝室にきていいよ」

萌 死 ね る っ ……。

ただでさえ熱い私の脳みそ沸騰させる気ですかあんた。
しかもこんなに素敵に寝床に誘っておきながら、いざコトを為す段階になったら、

「勝伊、どっちがしたいの? 突っ込むほうと突っ込まれるほう」

ううっ、だめだもう完璧すぎる。
なんかすごいんですこの人。
素晴らしい誘い受の才能の持ち主なのです。
息子が惚れてもこれじゃぁ仕方ないです。

でも、これ、明らかに標準的な父親じゃないですから。

「初恋の人はお母さん、っていうのが男の人生における必須経験じゃん。そのおかーさんがいないんじゃ、好きになるのはお父さんしかいねーだろ?

前半には、まぁ私は女なので無責任に同意しても良いですけど、後半は無理だろ!
普通に他に初恋の人ができるだろう、親以外に!!
お父さんしかいないハズないから。

この適度に馬鹿な攻息子も、愛すべきキャラでございました。

心地良く満腹させて頂きました。
ごちそうさま!

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