風が強く吹いている 三浦 しをん 新潮社 2006-09-21 売り上げランキング : 2566 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この作品はボーイズラブじゃありません。
このブログでは非ボーイズラブには極力、触れないようにと思っていましたし、これからも基本的にはそのつもりでいます。
しかし。
この作品については叫びたくなったのです。
つーかこの作品の読了後、今日更新予定だったボーイズラブの感想が頭から吹っ飛んで真っ白になっちゃった、というのもある……。
というわけで、特にネタでもなくボーイズラブでもなく、ただ思ったままに私が叫んでるだけです。
ネタバレすらないです。
圧巻だったのです。
なんというかもう薙ぎ倒された感じ……。
現実とのギャップとか、実際は無理よそんなもんありえない、という設定が何だというのでしょう。そんなもんは、物語に引きずり込まれた人間には何の意味もないんだと思いました。その世界に飲み込まれた私の前にあったのはただその世界だけで、比較の対象自体が存在しないのです。
バラバラの人間が一つの目的を持って、そこに向かって意識を集中させ、ただ一つの結末に向かって走っていく様に魅せられたというんでしょうか。
終わりに向かって、逸れもせず流れるように収斂していく物語が、いっそ心地良かったというか。彼らの軌跡を文章で辿るのがただ楽しかったというか……。
物語を通して走の名前が「走る」という動詞と混ざって、離れて、ひとつになっていく感覚を味わいました。
うん、なんか幸せ。
……この作者と同一人物が、書いてるとはとても思えない……こともない。
片鱗はある、確かに。
↓WEB拍手です↓
アキミ
腐女子としての下地はもう同年代なので掴みはOKですから。
作家としてよりエッセイがよりその特質を活かしてすごいものになってますよね!
この本はまだ読めてないのですが、気になっています。白蛇島とかあのあたりのホラーっぽいものが好きですが、どうなんでしょう。