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佐々木 禎子

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ボーイズラブ・レビュー


これはちょっと、ノリの違うアラブものでした。
アラブ・ボーイズラブの中ではかなり気に入ったかも。

受の年齢が29歳と高めだったことも関係あるのでしょうか。
少なくともアラブ方程式3連コンボとかはなかった感じです。


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

「この場で裸になり、私に跪き奉仕しろ。そうしたら私は君に仕事をまかせよう」雪也は赴任先のアラブの小国で取引先の社長であるシーク・ダニエルに見初められ、仕事の交換条件として身体を差し出すことになってしまった…! 楔につながれ欲望の奴隷となり、仕事をする許しを得たあとも、性技に溺れた記憶が雪也の心を蝕んで。そんな時、シークと親しい隣国の王子ファハドに攫われてしまい!? 灼熱のアラビアン・ロマンス登場。

え、ええと。
紹介文だけ読むと、王道アラブまっしぐらな内容なんですが……。
まぁ確かに、あらすじはそれほど新しくも斬新でもないんですが……。
でも私は、安心して最後まで楽しめました。

このアラブボーイズラブの最大の特徴は。


・攻が言葉の通じる理性の持ち主だった点

・受が人間、というか成人男性としてのプライドを持っていた点


これにつきます。
ダニエルはシークという立場にありながら、立場的に弱い雪也に行為を強制しません。
確かに、
「この場で裸になり、跪き、女のように私に奉仕しろ」
とかアレなこと言い放ってますが、嫌だと言ったら無理強いはしなかったでしょうし。
とりあえず、お約束の拉致監禁強姦はなかったです。
雪也もちゃんとパスポート持って会社の仕事でアラブに来てますしね!
こんなに当たり前のことがもの凄く素晴らしいことに思える自分に乾杯

もっとも、冒頭近くでダニエルを描写する言葉に、

たいていの王族がそうであるように、ダニエルは、自分の欲望に忠実だった。
我慢などしたことがない。


とかあって、オイオイと思いましたが。
王族って一般人以上に色々と制約があったり自制心が求められたり、責任が重かったりで、我慢の多い身分だと勝手に想像しているのですが。
我慢したことないのかあんた!!
たいていの王族がそれでいいのか!?
素敵な国だなアラブ。

我慢したことがないわりに、ダニエルはものすごーく雪也のことを我慢していたわけですが、それだけ大事だったと言うことでしょうか。
少なくとも彼は公私はきっちり区別してましたし、言葉足りないよ……というところはあるものの、雪也のことを大切に扱っていました。

そして、受の雪也が……。
天然というか朴訥というか素直に過ぎるというか。
とっても可愛いんですが、自分の仕事にプライドを持っていて、やっぱり公私の区別を意識していて好感度大。
仕事大事のあまり、うっかり身体で仕事をもらっちゃったコトもありますが、それがないとボーイズラブとしてのお話が進行しないので!
シークの女性とおぼしき人に無意識に嫉妬してみたり、同性愛禁止の国のシークであるというダニエルのことを思って身を引いてみたりと、健気さもあって、なんか良い子なんです。
(実はアラブの国々ってイスラム圏なので同性愛厳禁なんですよね、うっかり忘れてしまいそうですが)


そのかわりと言ってはなんですが、隣の国の王子様が、ニューロンの配線の狂ったアハハな御方でした。

なにしろ、隣国の、安全を売りにしている国際都市に、正式に国家事業レベルの仕事の責任者として滞在している日本人を攫って囲おうとしちゃったんですから笑えます。
それこそ国際問題です。
あんな人間が第二王子の国の将来がとても心配です。

つーか29の裸の男に振り袖羽織らせてそのままナニしようというセンスがわからん

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