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やさしい竜の殺し方〈6〉やさしい竜の殺し方〈6〉
津守 時生

角川書店 2006-10-01
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ボーイズラブ・レビュー


まずは9年越しの完結おめでとうございます。
(前作までの感想はこちら

ネットで買おうと思ったら楽天で品切れており、じゃあ仕事帰りの妹に頼もうと思ったら、決算月のため毎日、余裕で本屋が閉まっているような時間にしか退社できない様子。

仕方ないんで、塾に行く弟に千円握らせて買ってきてもらいました。

本屋の前の公衆電話から、

男が買う本じゃない!!」

と泣き言をよこしましたが、そんなもん知らんわ。
お釣りと引き替えにあっさり引き受けたあんたが悪いのよ。
(ホモじゃない? と念を入れて確認するので、違うよと断言して送り出した鬼畜姉です。だってビーンズ文庫派いちおうホモじゃないし。ちょっと表紙が恥ずかしいだけで)


最後の話は私好み。
哀しくて色気もあってほのぼのもあって、しかもこの物語の原点の時間を切り取ってくれていて、このシリーズを締め括るのにふさわしいエピソードだったと思います。
「やさしい竜の殺し方」シリーズは、剣と魔法の世界で竜とか冒険者が出てくる王道に近いファンタジーで、ギシギシ本番はなく、どーしようもなく乙女チックなイラストさえスルーできれば腐女子でなくても(もしかしたら男性でも)普通に楽しめる作品です。
調味料に妄想が入るとさらに楽しいのも事実ではありますが。



以下ネタバレも感想もないただの苦言というか愚痴。


私はこの作品、一番初めに発表された形態の時からもの凄く好きです。
当時は新書よりもうちょっと大きいサイズのソフトカバーで、イラストレーターが小林智美さん。

このイラストとストーリーのベストマッチときたら。
これで3冊読んだあとで他の絵なんか考えられません。

というか、この作品、なんべんレーベル変えてイラスト変えて出し直したら気がすむんだと。スニーカー文庫でイラストレーターが変わった時は、あまりのことに呆然としたものですが……サイズとイラストが変わって、しかもそれが私好みではない変わり方だったので、まぁなかったことにしようと放置していたのですよね。

そしたらなんか5巻に、書き下ろしの幻の第3部エピソードがあるとか。
待て、5巻だけ買えっていうのか?
最後の数十ページのために?
それって下手したら同人誌なみのページ単価ですよ。
しかも、本棚にシリーズ途中の1冊だけがぽつんとあるのって嫌いなんですよ。
なので買いませんでした。

で、つい最近のことです。
なんかまたこのシリーズが装丁変えて出ると言うではありませんか。
しかもビーンズ文庫。
しかもまたイラストレーター変わってるし。
なんかまた少女漫画チックというかきらきらしいというか色気がないというか……私の好みをことごとく外して下さって……。
なんなんだ一体。
そしてまだ最終巻に書き下ろしとか、なめてんのかコラと。

だからっ!!

装丁の違う同じシリーズというのが私は嫌いなんだってば!!

本棚に並べにくいでしょ。
見た目も麗しくないでしょ。
だいたいサイズから違うのよ。

ファンなら全装丁の全巻、買い揃えろっていうのか、そーなのか?

買えますよ、お金はありますよ。

でも場所がないんだよ!!


くそー。
結局6巻だけ買っちゃったじゃないか。
なんか微妙な敗北感……。
これがせめてイラストレーターだけでも小林さん復活とかだったら、迷わず文庫で揃えなおすのに。
なんか銀英伝がイラスト付きの文庫でリニューアル出版された時に似たやるせなさ。
(↑この時はヤンがまったく私の脳内ヤンと違っていたので買わなかった)


もう勘弁して下さい。

小林さんのイラストで、スニーカーに載っているという第3部と、たのしい竜の出会い方とかなしい竜の殺し方の3話、ソフトカバーに収録して出してくれたら角川に向かって祝杯あげるよホント……。

やさしい竜の殺し方 (1)
やさしい竜の殺し方 (1)津守 時生

角川書店 2006-07-29
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