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ボーイズラブ・レビュー
業界モノです。
タイトルと帯は見なかったことにしてイラストで買いました。
そう……珍しくリアル本屋さんでお買いあげしたのです。
普通の本屋さんのボーイズラブコーナーって、
何であんなに居心地が悪いのでしょうかね。
なんというか、タイトルを見た瞬間、
渇望の部屋……ボーイズラブってことは、やっぱりまぁ何をそこまで求めるのかって、受の身体でしょう……、渇望の部屋、ねぇ。
それってラブホの一室のことかしら。
本屋さんでタイトル見下ろしてこんなこと考えた自分が笑えます。
キーボード打ちながら「自嘲気味に」笑ってみました……虚しい。
やっぱり格好いい攻男か可愛い受男がやらないと似合わないですね。
ちなみに帯は
「あんたと、したいんだよ。」
でした。
見事なまでに目的語が欠如しいているのに、素晴らしく分かりやすい内容ですね。
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文です。
挫折を知らないトップモデルの入江草一は、ある日一枚の服に魅せられる。そのブランドの専属になってやろうと自信たっぷりにそのデザイナー・椎名剛士の元を訪れた草一。しかし喜んで自分を受け入れてくれるだろうという思惑はことごとく裏切られ、椎名は傲慢かつ不遜な態度で草一のプライドを崩してきた。「きみの肌は感じると艶を増すな」採寸していた椎名に淫猥に身体を嬲られ、草一は屈辱を味わわされる。けれど草一の身体は心を裏切り、強く椎名を求めて―。
一人称が「僕」の攻って、なんかすごくむっつりスケベなイメージがあります。
何の根拠もない勝手なイメージなんですけど。
あと、「僕」が傲慢な場合と「俺」が傲慢な場合ろでは、なんとなく傲慢の種類も変わってくるように思います。
基本的には「俺」の方が好みです。
普段聞き慣れているからでしょうか。
あんまり周りに「僕」って言う人がいないんですよね。
それはさておき、ストーリーです。
傲慢デザイナー×生意気モデルという、王道な組み合わせ。
この受の生意気さが、アホらしくて笑えてきます。
冒頭で気に入ったシャツを見つけた受は、店員とやりとりした後、
「むりやり着ようと思えば着られないこともなさそうだけど、
俺以外の奴に似合うとも思えないしね。家に飾っておくよ」
と言い放って、15万のシャツを観賞用にあっさりご購入。
嗚呼、お洋服が可哀想。着られてこその服なのに。
だいだいたいですよ。
男に美人ってなかなかいないけど、女の美人率は割と高いと思うわけですよ。
きっと美しくそのシャツを着こなせる女の人はいるから。
少なくともあんたがむりやり着たより綺麗に着こなす人はいっぱいいますから!
受け贔屓の私に初っぱなから、この受、いっぺん頭打って反省すると良いよ。
などと思わせたこの受……なかなか珍しい御方です。
まぁ、この後、オーディションに行った先で鮮やかに鼻っ柱を叩きおられてましたけど。
それにしても、オーディション受けに来た初対面のモデルに、突然堂々とセクハラするデザイナーも、だいぶネジが弛んでるんじゃないかと。
でもこの小生意気なモデルに梶井基次郎の「愛撫」を音読させたのにはちょっと笑ってしまいました。この人、やってくるモデルの性格まで把握して音読させる本を用意したのかと思わされます。
全体の流れは、元々実力はあった受が攻に良い影響を受けてさらに成長する物語という感じでした。横道にそれることもなく、恋愛と受の成長に的を絞って展開されていきます。
分かりやすい面白さと言いますか……。
ちょっと物足りなさを感じるものの、本屋さんで恥ずかしい思いをした甲斐はあったと思います。
(恥ずかしくても、新規開拓はやっぱり本屋さんがやりやすいと思います。ネットではあそこまでの冊数を一挙に視界に収めてランダムに選ぶなんて事はできないですから)
あとイラストに萌。
表紙のメガネ攻に萌。
お話とイラストがマッチしていて魅力が2割り増でした。
↓WEB拍手です↓
アキミ
本屋さんのあのコーナーってほんとに居心地が悪いですよね。
悪いことしてるわけでもないのに冷や汗が流れます。
なので、こちらのレビューを参考させてもらって、おもにネットで購入しています。榎田尤利さんがお気に入りです。
最近気がついたのですが、アマゾンで購入すると帯がついてないんです。あの煽り文句(?)ついてないと楽しみが半減しますよね。