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愛してないと云ってくれ愛してないと云ってくれ
中原 一也 奈良 千春

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ボーイズラブ・レビュー


久々にドクター・ボーイズラブを読みました。
医者×医者でございます。

妹ご推奨の1冊でした。

しかしこれがまたなかなか感想を書きにくい作品でして。
面白い、面白くないと言う問題ではなくて、本来ボーイズラブでは恋愛がらみの小ネタとして使われるレベルのエピソードがですね……やたらと重かったんですよ。

笑いどころ、ツッコミどころ満載なのに、ノリノリで笑っていたら時々ずーんと突き落とされる感じ。メリハリ効き過ぎですよ!!


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

日雇い労働者の集まる街で診療所を経営している青年医師・坂下。彼らのリーダー格の斑目は、屈強な男たち相手に一歩も譲らず日々奮闘している坂下を気に入り、なにかとちょっかいをかけていた。ある日、坂下と仲の良い日雇いのおっちゃんが肝硬変を患っていることが発覚。家族に知らせて手術を受けるよう説得してもらおうと考える坂下を、この街の現実を知る斑目は無駄だと一蹴する。坂下を諦めさせるため躰と情報を引き替えにならおっちゃんの住所を教えてもいいと条件を出す斑目。自分の本気を示すために坂下は斑目に抱かれることになり。

患者のために男に身体を投げ出す先生、漢です。
たとえババコンでも軽く夢見ちゃんでも、覚悟の決め方だけは漢でした。

冒頭近くからフルコースのエロシーンがあったので、そうかそうか、エロメインのボーイズラブなんだな、じゃあ後の判断基準は萌えるかどうかだけよ、と思った私が浅はかでした。


受の坂下が男に抱かれるきっかけになったホームレスのおっちゃん。
結局家族にも見放されたままろくな治療も受けずに路上で死んじゃったんです。
ひえええぇっ!
重い、重すぎる。
かなりヘヴィーでした、路上死は……。

しかも後半、そのおっちゃんを見捨てた家族が、実はおっちゃんが当選した宝くじを持っていたと知るや、それを託された坂下を人を雇って襲わせたりしてくれます。金に汚いどころの騒ぎじゃないです。
しかも元凶の当選券は、確かに当選していたけど額面は20万円だったというオチつき。
金に目の眩んだおっちゃんの家族は、たかが20万ちょっとの金のために不法侵入、暴行傷害、恐喝、誘拐etc...という華々しい罪状を引っ提げたまま、自分たちが雇った破落戸にまで恨まれて追い回される羽目に。
なんというか見事な自業自得でした。
あそこまで分かりやすい恨まれ役を出されると、いっそ清々しいです。

この作品、おっちゃんが話に絡んでくると、とたんに話がシリアスになります。
このエピソードさえなければ立派な医者モノギャグエロBLなのに。
まぁ、このギャップが味と言えば味なのかも知れません。


でもおっちゃんエピソードを取ってしまえば、後に残るのはもうはツッコミだけです。

攻めの斑目。
実は元医者で天才外科医なんです。
素直に天才外科医って書けばいいのに、なぜか伝説の外科医、なんです。
伝説って。(ちなみに神懸かり的な腕だったと言うこと以外、具体的に何がどう伝説なのかは書かれていなかったので、私は勝手に医龍の朝田を想像してました。)
なんかこの作風のなかで「伝説」とか使われると仰々しすぎて逆に笑えます。
そして、彼の下ネタ語録がもうたまらん。

「俺の愚息が先生のことが恋しいって、夜な夜な寂しがって涙をながすんだよ」
(思うに色つきの涙じゃありがたみない……)

「じゃあ、先っちょでいいから、挿れてもいいだろ?」
(先っぽだけだったら良いとかそういう問題ではないだろ……)

まぁ、アホなことを他にも山ほど言って下さいます。
しかも手術の前日、気持ちを落ち着かせるために男の尻を揉んでしまう変態さんです。
なんというか、なかなかおちゃめなキャラでした。


そして坂下のメス投げ。
斑目が下ネタを持ち出すたびに、斑目専用に分けてあるメスが飛びます。
この人、本気で当てる気になって投げてます。
そんな、ダーツじゃないんだから。
なんで当たらないのかとか真剣に悩まないで頂きたいものです。


あと、BL要素皆無な部分で吹いてしまったところが1カ所。
手術前の斑目のイメージトレーニングの場面でそれはおこりました。

「開腹から閉腹までのすべての工程を、一通りさらって自分の躰に叩き込んでいた」

ちなみに斑目が執刀予定だったのは心臓手術です。
心臓いじるのに腹かっさばいちゃまずいだろー。
ここは開胸だろう、たぶん(違ってたらゴメンですが)……。
イメトレ通り手術しちゃったらものすごい医療ミスですよ、伝説の外科医!!

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