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杉原 理生

ビブロス 1997-11
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ボーイズラブ・レビュー


ビブの身請け先がアニ○イトに決まったそうで。
なんというか一抹の不安を禁じ得なかったりします……。
資金面ではなく、どういう路線で復活するのかと言う点についてですが。
私は装丁の変わる前のビブが好きだったので、これまでの路線を継続するのか、さらにPOPに低年齢化してしまうのか。何しろあそこはアニメ中心なのでけっこう小学生とかの利用率も高いと思うのですよね。どうなるのかちょっと怖いです。

今回は、装丁がシックだった頃のビブロスのファンタジーです。
懐かしくなって掘り出してきました。
(でもすでに二重の意味で絶版……)
第6回ビブロス小説新人大賞・佳作受賞作です。


以下ネタバレ妄想注意!

紹介文。


“いま”のぼくを助けて…!!時間跳躍者ジーンは、6年前失踪した幼なじみのフィリアリスに再会した。あっけらかんと、女装までしてクーデターの首謀者になっていた彼だが、無意識に跳躍した過去で彼の叫びを聞いていたジーンは…!?


それほど重いファンタジーではなく、特殊能力とか寮とか幼なじみとかが盛りだくさんのお得な感じの作品でした。
でも上下巻の構成はちょっとどうなのかと。
だって上巻が!
世界観の説明とか状況設定にいっぱいいっぱいでボーイズラブのなんたるかを表すあれこれが皆無だったのです。
ファンタジー設定大好きな人は楽しめると思うのですが(私は楽しかった)、萌を求めて読むと上巻は凹みます。
その分、下巻はムフフでしたが。

それにしても、主人公のヘタレ攻くん。
せっかくタイムリーパーなんて特技があるんですからもっとそっちで活躍してくれれば良かったのに。冒頭でちょこっと無意識に飛んでしまっただけでした。もったいない!

今回ツボだったのは、特殊能力者を集めて教育する学校の教師連中。
ヘタレ攻のジーンを育てるに当たっての合い言葉があるのですが、それがなんとも。普通は、最大限の能力を引き出して、なおかつ従順に云々となると思うのですが。
大変おおらかな内容でした。

曰く。


「明るく素直に育てよう」


いや、良いんですけどね。
個人的に笑えました。

ヘタレ攻がツボにはまることってあまりないのですが、今回は結構いけたと思います。
受け少年の露出度があまり高くなかった気がするので、さらに攻が目立ったんでしょうか。受くんはヘタレ攻と同じ学校で教育を受けていたのですが、ある日突然失踪して次に会ったら女装してクーデターの首謀者になっていたハチャメチャな少年です。

この2人の初夜は、なんと宗教儀式の乱交パーティーで媚薬を盛られたヘタレ攻が受に押し倒されるというなんとも言いがたい状況で行われました。
しっかりしろジーン!

結婚したら間違いなく尻に敷かれるぞ!
散らかし魔の受くんに、僕が散らかした分まで君が片付ければ良いじゃないかとか言い放たれてたし。


ファンタジー要素も上手に絡めてあって、周りの人々もちゃんと書き込まれてあるので、2冊続きでもすっと読める感じです。
自我崩壊を起こした今回の敵方のトップのその後とか、気になってたりします。
悪い男ではなかったんですよ。

この作家さん、このお話以降はビブロスで書いていないようです。
この作品、あんまり売れなかったのかしら。
デビューしたところからデビュー作しか出ていないってちょっと気になります。


願わくば復活したビブロスがちゃんとファンタジーとかも扱ってくれますように。

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