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御木 宏美 西村 しゅうこ

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ボーイズラブ・レビュー


あれこれ忙しいはずなのに合間をぬって全巻買いそろえ、一気に読み切りました。
というか読まされたというか。

これ、オフィスラブ系のボーイズラブ小説としてはトップクラスの出来なんじゃないかと個人的には思います。

企業戦士としての男の側面が上手く恋愛面にも働いているので、仕事の場面もBL系には珍しく仕事内容(通販事業の総括みたいなの。企画して販売戦略立ててカタログ作って商品を仕入れて在庫管理して……というような感じ)が詳しく書き込まれているにもかかわらずさらっと読めます。
カップリングは王道とも言うべき上司×部下。

あー、ごちそうさまでした!

以下ネタバレ妄想注意!





各巻、微妙にツッコみたいなぁという箇所はいくつかあったんですが、全体を通して読み終えたら、細々つつく気は失せていました。内容が面白かったので、結局振り返ってみるとたいしたことじゃなかったような気にさせられたのです。

この作品ですげーなぁと思ったところがいくつかあったので、それを今回は書いておこうと思います。

まず、女性キャラの扱い。
前も書いたのですが、だいたいボーイズラブ系の作品に出てくる好感度の高い女性というのは、主にBLカップルに寛容であり、良き理解者である、もしくは雨降って地固まる方式に則って、最終的にはBLカップルの愛情を確かめる試金石になるという役割を振られる傾向にあります。
従って、普通に考えるとあり得ないくらい良い人だったり、冷静に見るとかなり可哀想な役柄を振られることが多いのです。
しかし。
この作品の女性キャラは、なんというか、まともなんです……。
ちゃんと男に混じって自己主張しつつ働き、男と恋愛し、仕事と結婚・育児の狭間で揺れ動き、足掻きながら自分の道を探している女性がでてきます。
存在感が半端ないのに、作中に出張ってきても鼻につきません。
さらに、受青年に一途に恋する女性も出てきます。
この子はちょっと良い人過ぎるきらいがありますが、それでも邪険に扱われることなく大事に書いてもらっている感じがして好きでした。
(でもホモになっちゃった上司を想い続けて一生結婚しないと言ってしまうのはどうかと思いますが
BLの枠内で女性キャラを書くのがすごく上手いなーと思ったのでした。


そして、恋愛メインになるはずのボーイズラブにおいてここまで彼らの仕事内容に言及したこと。割と芸が細かくて、各巻に職業や会社の説明が書いてあるのですが、よくよく読み比べると、前巻より数字が伸びていたりするのですよね。
MD(マーチャンダイザー)なんつーよくわからん仕事の主人公二人なのですが、それでも読者がだいたいこんなコトしているんだなーと把握できるだけの細かい描写があるので、仕事風景がちゃんと頭に浮かんで楽しいのです。

この作品は、企業戦士としての主人公の成長と恋愛の二本柱のバランスをうまく取れたから面白く仕上がったんだと思います。
最後がちょっと半端に終わったように感じたのは、仕事面での主人公の成長が尻切れトンボだったからです。でもそれだけ仕事面での彼らが気になるというのは、そちら方面について書き込みが多くあったからなのです。もうちょっと切りよく仕事の方も決着をつけて欲しかった気もしますが、それでもかなりの満足感がありました。

比較対象の内容がうろ覚えなので断言するのもどうかと思うのですが、彼女のもうひとつの代表作、こいきな男らシリーズより、このシリーズの方がずっと面白い気がします。


でもひとつだけ突っ込んでおきます。


攻男・剛士よ。
浮気したくせに態度でかすぎだおまえ!

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