4576040685天国が落ちてくる
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4576041479天国が落ちてくる(2)
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ボーイズラブ・レビュー



……なんで手元に3巻がないの……。

続きが気になって仕方ありません。
(3冊で完結です)
高遠琉加さんの著作は順調に制覇していってますが、既読の中ではこれが一番好み。

天国が落ちてくる>神経衰弱ぎりぎりの男たち楽園建造計画

の順にお気に入りです。
そうか、古ければ古いほど良いんだな。
彼女の前のペンネームの本も読みたくなってきました。


以下ネタバレ妄想注意!





紹介文です。


元ピアニスト志望で現在は音楽雑誌ライターの湊秋弘は、カリスマ的人気と実力を誇るヴォーカリスト新條カオルのインタビュアーに抜擢される。しかし、その貴族的ともいえる容姿と裏腹にカオルは尊大で傍若無人で暴力的という最悪な人柄で、インタビューも失敗に終わってしまう。ところが何を気に入られたかカオルに「うさぎちゃん」という愛称をつけられた湊は、再取材をエサにカオルに振り回されることに。地味で無難な人生を歩んできた湊と、スターとなるべき才能と容姿を持ちながらどこか孤独の影を漂わせるカオルとの出会いは…。

カオルのために演奏するという条件で、行き場を失ったグランドピアノを預けることになった湊。カオルの部屋通いが始まるが、そんな折、湊は女性シンガー・深月かな子の取材で彼女の機嫌を損ね、さらに大切な預かり物なくしてしまう。失点のフォローを厳命された湊の耳に、解散した人気ユニットの片割れで、謎の多いカオルの過去を知る桐島千暁の帰国情報が入ってくる。二人の関わりを取材できればクビを免れられるかもしれない…。一瞬でもそんな思いを口にしてしまったことを激しく後悔する湊にカオルは、湊のことが好きだから助けたいと告白してきて…。現役時代の桐島と樋口の始まりと終わりを描いた「蜜月」を収録したシリーズ第二弾。



ロックシンガーと音楽雑誌のライターの恋愛です。
いやなんと言ったらいいのか……優しい雰囲気の小説でした。

歌い手としてのカオルの、「うさぎちゃん」(注:受の愛称)を求める切実さだとか、仕事に対して抱えているジレンマとか、どうやら色々あるらしい過去とか。

読み終わった後も、相当オイオイという終わり方をしているのですが、ゆっくりでも待つ気持ちになれるといいますか。
ほわーっとした読後感です。

彼らの生活はきっちり存在していて、その生活の中に必然として恋愛要素が絡んでくる感じで、わざとらしさがあまりないんですね。BL恋愛を書くために無理矢理シチュエーションをこしらえたり恋愛のためだけにキャラが動いてたりというような作為が見えないんです。

だから、「うさぎちゃん」が、カオルに、
「きみが欲しい」
って言った時も、言えて良かったねーと思えたわけです。
彼はたぶん天然誘い受ですがどうもそういう雰囲気のない人でした。

登場人物がみんな善人で、ちょっと毒がないかな、とは思うんですが、別にわざわざ毒を入れなくても良いかなと。
癒し系という言葉が一時はやりましたけど、まさにそんな感じの小説なので、むしろ毒がないのが持ち味とも言えそうです。

長く感想を書くより余韻に浸っていたい、そんな作品でした。
3巻、さっさと買おう……。

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