4812421128プリーズ・ミスター・ポリスマン!
竹内 照菜

竹書房 2005-05
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ボーイズラブ・レビュー



ヤクザ×刑事。
王道です。


カーペンターズの曲に、Please Mr. Postmanというのがありまして、
ポリスとポストで語呂が似てるので(どういう理屈だ)リピートかけて読んでみました。
面白いくらいあの軽快なリズムが作品にマッチしてます。
(歌詞は、恋人からの手紙を待ちわびるという内容なんですが、
私のヘタレなリスニング能力だと、ポストマンがポリスマンに聞こえて、
恋する刑事さんを待ちわびる攻男の話に脳内変換できてしまうのです)


さてこのシリーズは、私にはなかなか壁が厚くて、
最初に読もうと思った時には1~4巻がイラストの問題で再版未定。
ようやく新装版が揃ったと知って1冊試し買いして気に入ったので、
久々にボーイズラブをシリーズで大人買いした直後に、
鬼のように仕事とレポートが重なって読書どころではなくなり泣く泣く積読。
なんと手元に来て1ヶ月近くも手を付けられなかったのです。

設定はとても好みだし、息が詰まるほど純愛ということなので、
残り10冊も期待して読んでいきたいと思います。


以下ネタバレ妄想注意!





紹介文です。


大物ヤクザの六条成湫は大学時代の同級生、橘行弘にずっと恋をしていた。
だが、それは片想い。
図書室で奪うように唇を重ねたのを最後に大学をやめた六条は、
以後行弘の前に姿を現すことはなかった。
そんなある日、刑事になった行弘が取り調べのため六条の元にやってくる。
衝撃の再開に戸惑う行弘。
だが彼もまた、六條を忘れられずにいて…。
蕩けるほどに甘く、胸が痛くなるほど切ない大人の純愛、
同人誌で大人気の「ミスポリ」が全編加筆修正で新登場。



冒頭でいきなり、
「どうです橘さん、留置場の住み心地は?」
なんて台詞が来るもんですから、てっきり橘さんがヤクザさんで、
ヘマして捕まって片思い中の刑事さんに馬鹿にされてるのかと思いました。

……でも留置所に入ってたの、受の刑事さんご本人でしたけど。

引っ越しても引っ越してもその先々でトラブルに見舞われて、
エリート街道まっしぐらのハズの橘警部補は、
ついに住所不定の憂き目にあってしまうのです。
しかも最終の引っ越し先には、大学時代に不意打ちでキスを奪われ、
6年ぶりに再開してみたらなんとヤクザになっていた六条が住んでいたという。
(なんか設定にものすごく作為を感じますが……)
結局、刑事にも私生活があるよな、という理屈で普通にお付き合いをはじめる二人。

エリートなのに警部補から一度も昇進できない橘行弘(受)は、
ヤクザと隣人付き合いをしつつホシをあげるために捜査を進めます。
4課に所属する彼が追いかけるのはヤクザ。
今回のお相手は大麻の違法栽培と麻薬密売をするヤクザです。

捜査の途中、不注意であっさり捕まってしまう橘。
拘束された上、怪しげな薬を飲まされて尋問される橘。
男のくせに、なぜか身体に訊いてやる方式で脱がされかかる橘
4課の刑事のくせに、なぜか隣人のヤクザに救出される橘

……不甲斐ない刑事ですまったく。


で、愛する橘(六条はユキと呼ぶ)をひどい目に遭わせた犯人に、六条は、
「薄汚い手でユキに触れるなんて罪が重すぎる
罰するべきだ
とのたまい、ユキにのしかかってた男(西崎)の片目をえぐりぬきます。
片棒をかついでいた男(中里)は、六条の部下でマンションの大家があっさり殺害
西崎は連れ去って飼い殺しにするご様子でした。
アーメン。

結局、六条の協力もあって麻薬製造密売の犯人は(死体で)検挙され、
失踪した西崎(実は六条が拉致)は指名手配でめでたしめでたし。

六条の6年越しの片思いも、1巻の最後の方で、結実します。
やたら甘ったるいHシーンが微妙にタルイ気もしますが、まぁいいかと流せる程度でした。

大ボケの橘と、いろんなマズイ事を知らん顔ですっとぼける六条に笑えます。


で、最後に載ってた短編で、これってギャグ小説だったんだなーと確信。
笑わせて頂きました。

1巻と10巻では雰囲気が違うそうですが、
どう変わっていくのかちょっと楽しみです。

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