4044366012プラスチックの卵
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ボーイズラブ・レビュー



一昨日書いた記事が、ライブドアの「ただいま大変混雑しております」の一言で消し飛びました。画面と一緒に頭まで真っ白になりました。F&B……気合い入れて書いたというのにこの仕打ち。ありえん。



気分を変えて別の本です。
トラウマ持ちの主人公(受)+学園モノで、全体的に切ない印象の1冊でした。
少し古いめのボーイズラブですが、
最近読んだ楽園建造計画と同じく寮の出てくるお話です。

淡々とはじまって淡々と終わります。
熱烈に好き! というわけではないですが、
なんとなく心に残る感じでしょうか。


以下ネタバレ妄想注意!





紹介文です。


鵠南学園高等部1年の相原拓哉は、並外れた才能を持つ美術部のエース。
だが、幼い時の悲惨な体験から人に心を開くことができず、
ずっと自分の殻に閉じこもっていた。
そんな彼の前に現れた美術教師・東野浩輝。
拓哉の唯一の弱点を見破り、拓哉に『課題』を与える。
拓哉は追い込まれ、苦しむ。
そんな時、東野は、拓哉の過去に自分が関わっていると知り…。



教師(攻)×生徒(受)の王道です。
拓哉は幼い頃に母親に捨てられてマンションの部屋で死にかけていたところを、
東野に発見されて助かり、施設で育ちました。
その過去がトラウマになっているわけです。
愛された記憶がないので、どう愛していいのか判らない。
人との関係を上手く結べないで、相手に殻をかぶせ、
自分も殻をかぶって日々をやり過ごしている拓哉。

でも、ある時臨時でやってきた教師・東野には殻がなく、
しかも殻で武装した土足で拓哉の中に踏み込んできます。
苦手な人物画の課題を与えられて描けなくて苦しみ、
遠慮のない東野の態度にとまどい、神経はすり切れてもう限界!
と言う時、錯乱しかかったところを東野に助けられ、
そのまま勢いでコトに及んで、気付けば相思相愛の仲になっていました。

……。
東野はともかく、なんで拓哉が東野への気持ちを恋愛感情に昇華できたのか、
詳しく書かれていなかったのでちょっとばかし拍子抜けします。
もうちょっと丁寧に拓哉の心の動きを書いてくれたら良かったのになー。
後半、せっかくラブラブになったというのに、
ありがたみがあまり感じられなくて微妙な気分でした。

というか、拓哉の同室の広瀬、良い人すぎです。
同室者が男に走っても温かく見守り、あまつさえその仲を取り持ち、
多少餌に釣られたにせよアリバイ工作までしてくれるというありがたいキャラです。
都合よすぎやせんかね? 
とは思いましたが、たまにはこういう人もいるよね、と納得できるくらいです。


全体的に物足りない感じはしますが、母親に置き去りにされて、
近くにいた生物(ゴキブリとかハエ)を絵に描いた拓哉には庇護欲を刺激されました。
絵を描くことで現実世界にしがみつこうとした拓哉が愛しかったです。
東野と幸せになってねーと素直に思える、すっきりした読後感でした。

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