4044346011寒冷前線コンダクター
秋月 こお

金のバイオリン・木のバイオリン―富士見二丁目交響楽団シリーズ〈第2部〉 運命はかく扉をたたく―富士見二丁目交響楽団シリーズ第2部 サンセット・サンライズ―富士見二丁目交響楽団シリーズ〈第2部〉 アレグロ・アジタート―富士見二丁目交響楽団シリーズ〈第2部〉 ファンキー・モンキー・ギャングS―富士見二丁目交響楽団シリーズ〈第2部〉

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ボーイズラブ・レビュー


もはや、レビューなんぞ必要なのか? 
というツッコミが入りそうなくらい有名なシリーズなんですが、長年愛読しているぶん、言いたいことも山のようにあるので、はしょってサクッと書きます。
さらっと読み流して下さいませ。

すでに20冊以上、ストーリー進行では6部に突入しているこの有名ボーイズラブシリーズですが、ひとつだけ断言しておきましょう。

秋月こおさんの出世作であるフジミシリーズ、第2部あたりで完結していたならば、伝説的に面白いシリーズになっていたでしょう。

が、今となっては、すべてのシリーズモノの著作者が抱える悩み、マンネリの罠に、フジミシリーズもどっぷり浸かっております。

ストーリーをさらっと言ってしまえば、自分は凡才だと信じ込んでいる隠れ天才の主人公が恋人に啓発されて成長していく音楽サクセスストーリーです。

秋月こおさんは、文章すげー上手いと思います。
ちょっと冗長んですが、読みやすいのであまり気になりません。
でも第3部を過ぎたあたりからストーリー展開が、読者の想定範囲内に収まりすぎているきらいがありまして。

しかし。
第2部までは読んで下さいね。
この作品、第2部で完結していたなら、
古典特集には必ず放り込みたい名作です。

とにかく秋月こおのエッチシーンは、なんと言いますか、とりあえずすごいですよ。
とにかくなんと申しましょうや……エ口シーンがね。
わかりやすく即物的でなんといういか、



直接話法の女王



なんですわ。
いやー、正統派のエロですよまさに。
とくにこの第1巻。
やってくれます。



以下ネタバレ妄想注意!




本編がはじけてるのでここで今更取り繕う意味とかないのでかいときます。
彼女は持ち前の直接話法を駆使して、肌色シーンをガンガン執筆。



JUNE史上に燦然と輝く強姦シーン



を書き上げて下さいました。
(こんなエッチシーンを書いちゃう人がPN変えて児童文学やってるなんて冗談みたいです)
ワーグナーのタンホイザーに乗せて、ゲイと勘違いされた主人公が無理矢理ぶち込まれてしまうという悲喜劇
もうたまらん。
ストーリーはすごいちゃんとしてるんです。
ものすごくストレートな音楽系BLなんです。
紹介文を見て頂ければ分かると思いますが。


悠季は富士見交響楽団(通称フジミ)のコンサートマスター。
楽団はまだ素人レベルだけれど、彼はリーダー的存在だ。
そこにある日、芸大出で留学帰りの二枚目指揮者・圭が就任してきた。
ところが初対面時から人を見下ろすようなデカい態度。
そんな圭にムラムラと敵意を覚える悠季であったが…。
楽団を舞台に悠季&圭コンビが織り成す激しく切ない恋愛模様2編。
人気シリーズ、待望の文庫化。


ちゃんとストーリーがあって、見せ方を知ってる著者が書いてますので、文句なく面白いです。


しかしながら話が進むに連れて、

喧嘩→セックスして仲直り

主人公が実力のなさに凹み→
攻・圭か周囲の人々が励まし復活→レベルUP

音楽の天才が出演飽和状態


という三段構えのマンネリに見舞われ、さらに第4部あたりからイラストレーターが交代。
相当数の読者に逃げられます

私もイラストレーターが交代した時、何冊分かの間、遠ざかっていたんですが、結局止めきれずに買い続けております。

新刊を見つけたら無意識というか条件反射というか、手が伸びてしまうんですねー。
恐ろしい


だって面白いんですもん!
何よりもう十年近く読み続けて愛着もあるわけで。
止められないんです、このシリーズ。

しかしです。
そんな私にも、このシリーズでどーしても許せないことがありまして。
それはですね、主人公の受青年・悠季のことなんですけれども。

初めのうちはそれこそ強姦されちゃって、圭とくっつくまでのすったもんだ、くっついてからのあれこれと色々あるわけですが、なんかいつの間にか、時と巻を重ねるごとに、私の可愛かった悠季が、

売れないAV女優のようになってしまったこと!

勘弁して下さい秋月さん。
セックスシーンが冗長になるだけならまだしも、何ですかあの品のないわざとらしい悠季の喘ぎ声は?

参考までにひとつ全文引用してみましょうか。


「アレグロ、アッパーショナート! モルト フォルテシモ!
あっ、だめ! ああっ、だめェッ!! インパッツィーレ! く、狂う、
狂っちゃう! やめて圭っ、も、もうっ!!
ひああああああっ〜ん!! 
〜〜〜〜〜っ!! 〜〜〜〜っ!! …………〜〜〜っ!!」



なんと文庫で3行ぶんにも渡るこの喘ぎ声。
ええかげんにしとけよオイ……。
もうここまできたら色気もへったくれもありません

慎みとか恥じらいとか、そーいう悠季の美徳項目は、いったいどこに雲隠れしちゃったんでしょう。
もしかして品切れでしょうか?
そうなら、早いとこ在庫補充しとかないと、お腹いっぱいになった読者がそそくさと席を立つこと受け合いです嗚呼。

いったいどこまで続ける気かは知らないですが、意外性を出すのがこの先ますます難しくなってきているこのシリーズ。
もーちょっとこう、違った流れを入れるとか、ゴールを決めてそこに向かって進むとかしてくれないと、ほんとに延々と続いていきそうでなんだかなあ……という感じです。

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