三千世界の鴉を殺し〈1〉 | |
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ボーイズラブ・レビュー
この小説は、ここで紹介しても良いよね。
だって編集部想定読者層って腐女子の占める割合大きそうだし。
キャラにしてもストーリーにしても、明らかに萌えを狙ってるみたいだし。
でも後にも先にも本番はないそうです(作者談)。
さて。
津守時生さんの作品を紹介するのは2回目なわけですが。
(1回目は「やさしい竜の殺し方」でした。)
私はそこで、竜のシリーズを、彼女が弾ける前の最後の作品と書きました。
はい。
この三千世界の鴉を殺しシリーズは、
弾けてからのお話になります。
もう大変ですよ。
色んな意味で。
しかしこのシリーズ、商業的にはかなりの成功を収めているらしく、順調に巻を重ねております。
この津守時生という作家さんは、デビュー当時、ものすごく硬派というか、重厚というか、マイナーなんだけど読む人は読む系統のSFライトノベル書きさんだったんです。
つまるところ、ファンはいるけどあんまり売れてはいなかったんですね。
しかしです。
やさしい竜の殺し方あたりからちょっと雰囲気が変わって、一般人にも受け入れられはじめました。
そして、この三千世界の鴉~シリーズでお弾けになりました。
そして、何の因果か大ヒット。
……。
こんな人もいるんですね。
弾けてからの方が売れる人って。
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文です。
辺境のカーマイン基地に新任の大尉がやって来た。
ルシファード・オスカーシュタイン―。
軍情報部の大物将校を父に持ち、最高勲章三つを胸に飾るこの男は、
だが、すこぶるつきのトラブルメーカーだった。
誰もが息を呑む凄絶な美貌、そして男も女も惹きつけてやまない奔放闊達な性格。
その彼が絶滅した蓮莱人の生き残りである"ドクター・サイコ"サラディンと出会い、
運命の物語は始まった!!辺境の惑星を舞台に、遠い未来の伝説が開幕。
設定は、まぁSFなんですが、どっちかっつーとこれは、サイエンス・フィクションじゃなくて、スペース・ファンタジーでしょうな。
だから分類はその他です。
とりあえず軍隊が舞台なんですが、萌えのために作られたような軍ですよ。
赴任してきた大尉殿は、理由付きとはいえ、腰まで届く長髪の持ち主で超絶美形です。
その大尉殿が、聞き分けの悪い筋肉ダルマの集団を、
持ち前のガキ大将的性格と腕っ節でもって調教していくお話です。
初めはあまりに軍隊にそぐわない見てくれの大尉殿に、
反感を覚えていた筋肉ダルマたちが、
気付けば目を潤ませて大尉殿の命令を待つようになっていきます。
あーれ~。
とりあえず、笑えます……。
でも見た目は美しくないですよね。
いくら躾のためだからって、
筋肉ダルマどもが腕組んで音楽に合わせてスキップしてるトコなんて。
ああ。
いったい何度つっこんだことでしょう。
こんな軍隊ねぇよ!!
しかし、もうここまで来たらリアリティなんて、
求める方がアホらしいですよ。
何も考えずに笑ったもん勝ちです。
基地内で隊内の軍人同士をくっつけて妄想する雑誌を発行する女性軍団がいても、
それネタにされ心労で発狂寸前まで追いつめられた士官が精神病院に送り込まれても、
女性兵士が発行するホモ雑誌を主人公の超絶美形大尉が愛読し笑い転げていても、
三桁年齢の美形たちが小学生レベルの口喧嘩を繰り広げていても、
気がついたらイラストレーターが交代していても、
私はくじけません。
ツッコミ要素がある限り、勢いがある限り、買い続けます。
でも……過去に出てきて格好良かったキャラのイメージだけは壊さないで欲しいです。
主人公の父上とかそのへんですけれど。
今のところ希望はそれくらいですハイ。
あ、あと、もうちょっとさくさく続きが発行されると嬉しいかな。
今のペースだと、新刊出た頃には前の話し忘れてますから。
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アキミ