4150308071ヤーンの朝
栗本 薫

火の山 グイン・サーガ(102) 北の豹、南の鷹 グインサーガ 100 豹頭王の試練 ルードの恩讐―グイン・サーガ 99 蜃気楼の旅人―グイン・サーガ 98

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ああみなさま。
普通の日記で紹介するじゃなく、
こういう系統のブログの記事になってしまう私の絶望を、
どうかご察し下さい……。

グインサーガ100巻。豹頭王の試練(むしろ読者の試練……)


中学生の時にはじめて1巻を読み始めて、
もう何年たったでしょう。


その時の私に、まさかグインがこんなことになるなんて、
想像できたでしょうか。できなかったに決まってます

ボーイズラブ専門のブログに、
グインサーガの記事を書いている自分(´・ω・`)
嘆かずにはいられない自分( ´_ゝ`)
滅多に使わない顔文字を打つ自分。つД´)・;。


本来であれば祝砲でも撃って盛大に祝うべき100巻。

だのに、この虚しいばかりの脱力感はどうしたことでしょうか。




……。
今のグインサーガが大好きな人は読まないでください。
不快になったり凹んだりするかも知れないので。





はじめてグインサーガを読んだのは、
中学2年の時だったと思います。

数学担当だった先生が貸してくれました。


私「先生、面白い小説ないですか?」

先生「うーん。グインサーガとかどうや?」

私「それ面白いんですか」

先生「俺が学生の時からずっと読んでるよ。ファンタジー」

私「貸してください!(ファンタジー大好き)」

先生「かまへんよ。次の中間テストで70点以上取ったらな


……私数学大嫌いなんですけど。
とっても苦手なんですけど。
白状しますが赤点常連組だったんですけど


私「国語なら90点取りますけど」

先生「ダメ。数学で70点取りなさい」


私はにはめられました。
その時点でのグインの刊行点数は、すでに60巻を超えており、
中学生の小遣いでどうこうなるもんじゃありませんでした。
私は、あり得ないくらい真面目に数学の勉強をして、
グインサーガ入門を果たしたのです。

記念すべき1巻。豹頭の仮面改訂版


世の中にこんな面白い小説があったのか


と、むさぼり読みました。
まとめて貸すと徹夜して、宿題すらやってこないと悟っていた数学の先生は、
1週間に2,3冊くらいしか貸してくれなかったので、
一字一句漏らさぬように、かじりついて読みました。

重厚な筆致で語られる異世界の物語。
豹頭の男と、亡国の双生児が繰り広げる冒険。
異形の怪物や、数々の試練、苦難……。

そんじょそこらのファンタジー小説なんて、
読めたものじゃありません。
それくらい、のめり込みました。

で、実に大学受験に入る高3までに、
六十数巻まで、その先生に貸してもらいました。

微妙な違和感を感じ始めたのが、50巻に入ったあたりでしょうか。
ナリスというやたら美形で底抜けに腹黒く、
おまえろくな死に方しねーぞオイ
というキャラクターがいたんですが、
なんかその人の性格が微妙に変わってきたような気配を感じました。
んで、そのナリスと結婚した、双生児の一人、
リンダが、日に日にアホっぽくなっていくにあたって、
私の頭に疑問符が乱舞しはじめました。

その後、幸か不幸か、受験勉強しなくては!
ということで、いったんグインサーガを読むのを中断。

大学入学後、バイト代で既刊まとめて買いそろえて、
むさぼるように続きを読み始めました。





唖然としました。





数年の間に、いったい栗本薫さんに何が起こったのでしょうか。
巻を追うごとに違和感は強まります。

ナリス様の腹黒さはいつしか子供の我が儘レベルに堕ち、
気がつけば彼を表す形容詞は儚げだとか妖精のようだとか、
恐ろしいことになっていました。

そして。
いつかナリス様を殺すだろうと思われた魔導師ヴァレリウスは、
気がつけば出来損ないのボーイズラブよろしく、
憎んでいたはずのナリス様とできあがっていました。

なんの悪夢かと思いましたよまったく。

確かに私はボーイズラブ大好きです。
でもね。
もともとヒイロックファンタジーだったのよグインサーガは。
ボーイズラブじゃなかったのよ。
なんでリンダ(妻)を抱かずに男に抱かれてるのよナリス様。
いつの間に男の愛人とおそろいの毒入り指輪をあつらえてるの。


というかもう、そんな醜態曝してないで、早く死んで
と、切望致しました。
過去に私が好きだったナリス様は、
気がついたら影も形もなくなっておりました。

グインなんか、主人公なのに、彼の冒険は外伝に追いやられ、
体格まで変化したのかよというくらい描写が意味不明になっていき、
昔は重厚感を醸し出していた文章は饒舌なだけに成り下がり、
無駄に長い説明台詞が延々続き、キャラの深みは紙束ほどに成り果て、
私が描いていた脳内グインサーガ世界は完膚無きまでに叩きのめされました。


結局、80巻に届く前に、私はグインを読むのを止めました。
読むに耐えなかったというより、
いつの間にか新刊に手が伸びなくなっていました。
栗本薫さんはどこで間違えたんだろうとか、
色々と思うところはあったんですが、
私の好きだったあの世界観はもう消えたんだと思うと、
読者の身勝手かも知れませんが、無性に悲しかったのです。


そして、ナリス様が死んだことを風の噂で知り、
とりあえずかつて愛したキャラのなれの果ては拝もうと、
その巻とその前後だけは購入しました。

なんの感慨も湧きませんでした。

というか、葬式済ますのにページ数割きすぎだろ。


で、先日、100巻を本屋で見かけましたが、
完結どころかまだまだ崩れた世界観は続く模様でした。
もう買いもしませんでしたが、ナリス様が死んで、
あの世界はちょっとはマシになったんでしょうか。

というか、100巻で完結させる力量を見せてくれていたら、
読む気にもなったかも知れないですが。




終わりのないラブソングは、ボーイズラブの傑作だと思います。
でも、いくらなんでもグインサーガに、
こっちの趣味持ってこなくても良いじゃん!
別に、ホモが出てくるのが我慢できないとかじゃないですよ。
昔は特に男同士でどうこうするのが多かったことも知ってます。
でも、でもですよ?
キャラの性格ねじ曲げてまでする事じゃないと思うんですよ嗚呼。


かつての栗本薫さんを尊敬していました。
グインサーガの50巻くらいまでは、今も大事に持ってます。
七人の魔導師と、正伝が繋がる日を夢見ていました。
終わりのないラブソングに感動しました。


受験が終わった後、続きを読もうなどと思わなければ良かったと、
心から悔やんでいます


私の中のグインサーガは、ナリスの結婚式あたりで完結しています。

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