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ボーイズラブ・レビュー
さて、川原つばささん第2弾。
東京ナイトアウト2巻、ブルーコミュニケーションです。
なんというかホント、ボーイズラブ読みで良かった。
と思わせてくれるくらい妄想がたっぷり詰まってます。
これはですね。
内容読む前にまずは表紙で感動して欲しい!
ソファに座った見返り卓也。
桔梗が甘えて抱きついてるんですが、見えるのは頭だけ。
もう、印刷がきれいなんですよ!
ルビー文庫ではありえんくらい。
印刷とか紙の質って、わりと気にするんですけど、
私的にTOPは徳間キャラ文庫なんですね。
上等っぽい紙で、手触り良いし、見た目きれいだし、
印刷もなかなかレベル高いし、
そして中表紙がカラー印刷なんです。
文庫デザインも、なかなかセンス良いですし。
ちなみにあんまり好きじゃないのが、
ホワイトハート文庫だったりするんですよね……。
なんか紙質がやぼったくて、中表紙ないし。
一時、邪道がキャラから出そうになった時、
小躍りしたんですが、ホワイトハートからになったと知って、
そこだけが残念でした。
ま、出版社の規模とか将来のことを考えたら、
妥当な選択ではあったと思うんですが。
で、表紙の話に戻りますが、この前のナイトアウト1巻の表紙が、
大変なことになってたんです。
桔梗がかわいく一人で描かれてます(なんで楽天、画像でないんだ!)
ピンクの配色が多くて、POPな雰囲気だったんですが、
そのピンクが! イラストレーターの沖麻実也さんがぶっとんで、
「20年退色したのか!?」
とおっしゃったほど。
そこで2巻目は、川原つばささんが、どうやったのか根性で動いて、
この美しい表紙に仕上がった、らしいです。
(なんで表紙の話がこんなに長くなるんだ私……)
内容はですね。
1話目は番外編っぽくて、休みに忍の実家(京都)に、
桔梗と二葉が忍と一緒に遊びに行く話です。
忍の一人称ですが、私はこのお話で一樹さんにやられたんじゃないかと、
わりと冷静に自己分析してたりします。
2話が本編。
卓也と桔梗のお話。
しかしこの人たちは、つきあい始めて早々に、
喧嘩→受けが拗ねて自暴自棄→攻め焦る→Hして仲直り
というパターンをやってくれます。
結局お互いが好きなのね!
と読んでて「お幸せにー♪」な気持ちになれます。
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文、いってみましょう。
あいつ絶対浮気してるッ!
高校生になった桔梗は六歳年上の恋人、卓也が不安だった。
めったに家にいない両親が戻り、店への出入りも禁止されて!
すれ違う二人の間に脚本家の江藤が入り込む…
『ブルー・コミュニケーション』。
忍の中学三年の夏休みの話『北風と太陽』。
フレモント兄弟の間で揺れる忍は、学校でイジメにあい傷ついていた。
ピアノの音色の中でキスした一樹。でもそれを二葉が見ていた。
番外編のタイトルは「北風と太陽」
もちろん太陽は一樹さんです。
ちなみに北風が二葉。
ちょっと1巻の話を引きずってるんですが、
忍が同級生にいじめられちゃうんです。
で、それを知ったフレモント兄弟の対処の違いが如実に表れているというか。
(一樹さんは、ハーフなのでフルネームだと一樹・フレモントというのです。
日本人とのハーフで金髪はありえんとか、夢のないツッコミは全面却下!
教科書に並んでる遺伝の法則は意図的に忘れるように。
お子様の夢を奪う文○省の陰謀ですから!)
二葉なんかは(ちなみに桔梗も)、ストレートの剛速球。
「やられたらやっちまえ!」
俺がかわりに復讐してやる!! といわんばかりの勢いです。
……実際やっちゃいますけど。
一樹さんはちょうどこの時期、自分も大変で、
恋人が死んじゃった直後のことです。
(桔梗いわく、一樹は幸せな恋愛したことがない、と。
ここでちょっとくらっときました)
徹夜でお酒飲んで酔っぱらってたわけです、ピアノ弾きながら。
酔っぱらっても優雅!
でも、泣きはらしてやってきた忍を優しくなぐさめ、
なんかどさくさに紛れてキスとかしてます。
一樹さんの描写が色っぽくなり始めたのはこの辺からです。
その場面を見ちゃった二葉が、兄貴に嫉妬するわけですね。
京都に遊びに行った時はほとんど無理矢理、自分も忍にキスしてしまいます。
しかも、寝る前のビールにヤバげな薬まぜてボヤーっとしちゃった忍相手に、
色々悪戯までしてしまうという……。
ヘンタイ一歩手前なのでは? という感じです。
まぁでも私としてはこのあたりまではべつにどうでも良くてですね。
そのあと、気付いた忍が一樹さんに助けられた先が大問題なんであります。
ホテルで忍と泊まるんですが、風呂から出てきた忍を抱きしめちゃったりして、
軽くスキンシップをしつつ、
「二葉のことを拒否した手前、気になるとか?」
などと問題発言。
そしてそして。
「今夜、ここできみを大人にしてあげるのは簡単だけど
…やめておこうね」
爆弾発言。
一樹さん攻め疑惑が持ち上がります。
私のこれまでのイメージとして、一樹さんって、総受けだったんですよ!
それもどっちかっつーと誘い受けで(女性相手は別ですもちろん)。
でも忍相手に限り、攻めでもOKだったのねー!
私としてはこのまま一樹×忍カップル誕生でも良かったんですが、
そうはならないんで残念。
最終的には、二葉がいじめの現場を押さえて、いじめっ子どもを撲滅。
というか徹底的にボコにします。
いじめっ子たちには、二葉がいかれた金髪外人にしか見えなかったことでしょう。
ちょっと同情します。
まぁ、自業自得ではありますけどね。
2話目のブルーコミュニケーションはですねー。
筋はもうさっき書いたので以上!
なんですよね……。うん。
ああ、あと、卓也と一樹さんは、成績の悪い桔梗の家庭教師をしてるんですが、
甲斐あって成績は急上昇いたしまして、さてお礼は何にしましょう?
と彼のご両親に訊かれ、素直にバイト先での給料アップを願い出ます。
(一樹さんが任されてるお店のオーナーが桔梗の父親なのです)
で、その結果。
夜から朝方にかけて6時間営業のお店で働いて、
一樹さん→月収150万近く
卓也→月収60万超え
おひおひ。
大学生! バイトの給料じゃねーだろそれ!
時給いくらになるんだよ!!!
つか正直、うちの親父よりもらってんじゃねーか……。
こんなんありですか?(←せつない悲鳴)
お話としては、いくつか伏線が張られたりして展開の兆しが見えます。
たとえば、一樹さんのバイト先「イエロー・パープル」に桜庭巧がやってきて、
一樹さんが顔をこわばらせて硬直したり、
その桜庭巧が一樹さんのことを
「百万円のダッコちゃん」
とかほざいたり。
(巧→タクミ。桔梗が無意識に卓也との最中に呼んだ名前なんですよ)
あと、卓也が仲直りの時にめっちゃ丁寧に桔梗のこと扱ったり、
最中に密かに嫉妬する所なんかは、すごく良い感じ。
なんだかんだいって、卓也も一途なんです。
こんなダンナが欲しいよう。
(一樹さんはダンナは無理なんですね……
断言するけど、あんなダンナが居た日には、危なくて一人で外出させられません。
一時たりとも心は安まらないでしょう。
男女問わず、いつテイクアウトされるか分かったもんじゃありません!)
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アキミ