4044344051東京ナイトアウト〈1〉ハート・ウォーミング
川原 つばさ

角川書店 1996-02
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ボーイズラブ・レビュー



やります。
怒濤の川原つばさレビューいきます。
私は、ことボーイズラブ関係の書籍に限定するなら、
川原つばささんが一番好きです。
むしろ愛してます。

これがなんとも不思議で、ぶっちゃけ、
たとえば文章なら、客観的に見て榎田尤利さんのほうがだいぶ上手ですし、
エロに限定するならひちわゆかさんのほうが数段エロいの書きますし、
同レベルくらいの実力でもっと多産な作家さんもいっぱいおられます。
じゃあおまいは川原つばささんの何が好きなのよ?
ということなんですが。

さて、なんででしょうね……。
フィーリングと言ってしまえばそれまでですが、
彼女の作るキャラのひたむきさとか、
切実さに惹かれている部分が大きいように思ってはいます。
こんな奴いねーだろ!
という設定のキャラでも、なぜかちゃんと等身大に見せてくる。
なんかほっとけない。
とりあえず彼が幸せになるまでは……と思わされちゃうんですね。
一樹さんとか一樹さんとか
一樹さんとか。
いや他のキャラもですが。

愛されるキャラを生み出せるのが、
川原つばささん独特の才能なんじゃないでしょうか。
感じ方は人それぞれですけど、
私は彼女の、キャラにかける愛情を好ましいと思います♪


さて、この「東京ナイトアウト」シリーズですが、
学園モノにいちおうカテゴライズしましたが、
それだけでは語り尽くせない部分も多くあります。
ただ本編は、中学生~の年少組が主人公なので、これでいいかな、と。
青春してます! という感じです。


以下ネタバレ妄想注意!



では紹介文をどうぞ。

夜遊び大好き、女装も大好きな小沼桔梗は、EASYで甘ったれな問題児。
つれなくされながらも、六歳年上のバーテン芳賀卓也に首ったけ。
クールな態度を崩さない卓也に、桔梗の恋心は深まるばかり。
でも彼らにはシビアでシュールな障害が。
カラフルな世界がくるくる回るナイトストーリー。
表題作『ハート・ウォーミング』を含む中編2本。
川原つばさ、待望の新シリーズ参上。



というわけで、主人公は桔梗で、メインカップルは桔梗と卓也になりです。
東大に通いながらバーのアルバイトをする卓也(もちろんメチャメチャいい男)。
夜遊び上等! 女装オーライ! おまい、ほんまに中学生かよ!?
というくらい世慣れた桔梗(男)とその仲間たち。
彼らの世界に、とまどいながらも、気付けばどっぷりつかっていた忍(男)。

このシリーズ、


いい男はみーんなホモ!


という、ボーイズラブの典型を地でいってますが、
まぁ、いっか。と苦笑しつつも祝福したい雰囲気です。


桔梗の従兄弟で7つ年上の、
卓也と同じく東大生でバーテン兼雇われ店長の一樹も1巻から登場します。
(でもアルバイト。身内とはいえ良いんだろか?)
同級生と波長が合わなくて凹んでいる忍を優しく諭してくれるカッコイイお兄さん。
という役どころであります。
最初はそんなにフェロモン垂れ流しの夜の蝶々ってことはなかったんですけどねー。
こんな兄貴がいたらステキ。という感じの余裕のある大人です。
また、ちゃんと桔梗の学校の呼び出しにも出向いていって、
バッチリ先生を丸め込んでくれるありがたい保護者でもあります。
……こんな大学生いねーよ!!(卓也もだけど)

桔梗は呼び出し停学は当たり前というとんでもないお子さんなので、
保護者は大変です。
ちなみに、この巻で停学食らった理由ってのが振るってます。

制定ズボン切ったから。

あのねぇ。
私、女生徒がスカート切って生活指導で罰則食らうって話は聞いたことあるけど、
男が制定ズボン切って半ズボンにして学内をのし歩いて停学とか、
はじめて聞いたわ。ホントに。

停学中も夜遊びは止めないし、
勉強は嫌いだし、
卓也と喧嘩して、挙げ句見知らぬオッサンとSMごっことかするし、もう大変です
振り回される忍や二葉(一樹さんの弟)も、大騒ぎで探し回ります。
(その間、二葉と忍の友情もはぐくまれ……この頃はまだ友情なんですよね、たぶん

でも、どんなに問題児でも、桔梗の卓也への愛情は真っ直ぐです。
なんか、こんなに好きなのに抱いてくれない!
と全身で抗議してるんですね~。
すごくいじらしいのです。

(でも実は、彼ら、セックスはしてるんですよ
桔梗が夢遊病の時だけなんで、本人は覚えてませんけど。
これも伏線なんですが、なんか桔梗は昔、何かの事件に巻き込まれて、
その後遺症で時々夜中にうろつくんです。
その事件で、たぶん強姦だかなんだかされたんでしょうね。
最中に、タクヤじゃなくてタクミって呼ぶんです。
実は桔梗が好きな卓也はたまらんでしょうな)

まあ、すったもんだの末、結局、意識のある時に最後までいっちゃいますがね。



1話目は忍の一人称で書かれていて、
中学生が決められた枠の中で足掻いたり、
やりたいことが出来なかったり、
人間関係がごちゃごちゃしてたりの、
その年代特有の葛藤がストレートに伝わってきます。
同年代の人が読んだら、すごく共感できる部分とかあると思います。

2話目は、3人称で、本格的に桔梗と卓也のお話になります。
この年にしかできない熱い恋愛ですよ~。


実は当初、桜桃さんから出るはずだったのに、
諸事情というか大人の事情というか、単に見解の相違というか、
まぁ良く出版社とやり合う作家さんというか。
気付いたらルビー文庫から出ることになっておりました。
でもメジャーさとかから見てもそっちの方が正解だったと思います。

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