4775503405夢の扉
春原 いずみ 麻生 海

オークラ出版 2004-04-17
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ボーイズラブ・レビュー



はい、「逢えるかもしれない」の続編です。
一冊かけて口説き落とした内海(受)を理解できずに苦しむ吉永と、
頭の中でぐるぐる考えてしまって、なかなか感情を口に出来ない内海の、
葛藤すれ違いがメインの巻ですね。

読者を飽きさせません。
メディカルラブには大切な病院内の描写や、
仕事ぶりのリアリティも健在です。
(相変わらず、
患者さんは内海と吉永の間で相手の実力を試すために使われております
よかったねぇ、二人とも腕の良いお医者さんで
これでへったくそな藪医者だったら患者さんは災難です。

そして今回、人間関係が何か入り組んでて微妙にドロドロです。
しかしま、春原いずみさんの場合、元がさらっとした系統の文章
(たぶん対極にいるのが栗本薫さんだろう。
あの人の手にかかればさわやかな話もドロドロに見えるし
なので、そんなに重くはなりません。
読後感さわやかな小説に仕上がっておりますのでご安心あれ。


以下ネタバレ妄想注意!

紹介文、いっときましょう。

整形外科医・吉永と内科医の内海は、同じ病院に勤める同僚医師。また、恋人同士でもあった。
だが、内海の弟・樹が骨腫瘍になり、入院したことから二人の関係にズレが生じ始める。
病への恐怖から、それまで隠し続けてきた吉永への思慕を募らせる樹。
そして、その想いを無下にはできない吉永。
内海は、そんな二人の姿を見て、次第に不安に駆られていき…。
すれ違う愛がもどかしいメディカルラブ第2弾。


はい紹介文から分かる通り、兄弟を巻き込んでのすれ違い。
さらにここにもう一人加わります。
外科部長の佐嶋先生
彼は吉永の直属の上司なのです。
その彼が、何をトチ狂ったのか、

内海に目をつけるわけです。

さらに、病気で吉永の病院に入院することになった内海弟が、
吉永に告白。しかも吉永、なまじ恋人と顔が似ていて、しかも決して嫌いではない内海弟を、
無下にすることが出来ません。

その様子を目撃した内海兄は、実際、自分が病気の時もそうだったよな……。
吉永は必要として伸ばされる手を振り払うことが出来ない。
自分はもう病気も治ったから、このまま吉永は離れていってしまうんだろうか?
ひとりで悩みまくります。
そこを佐嶋先生につけ込まれちゃったわけです。
人間も動物も、弱ってる時はろくなことがありません

さて、状況を整理しましょう。

①吉永(攻)と内海兄(受)は恋人同士。
②内海弟(おそらく受を志望)が吉永に告白。
③佐嶋(間違いなく攻を志望)が内海兄にモーションをかける。

……ええと。


男ばっかりの四角関係完成!!


いったい、おまいらのまわりに女はおらんのか!

なんで弱ってる内海兄にちょっかいをかけるのが、未婚の看護師(女)じゃなくて、
バツイチの佐嶋先生(男)なのだね?

どーして、病気で気が弱くなってる内海弟が慰めを求める相手が、
かわいい女の子じゃなくて、男の(しかも兄貴の恋人)吉永なのだね!?

答え:これはボーイズラブ小説だから。

嗚呼、なんか激しく間違ってる気がする……。
面白いんですけど!
別に良いんですけど、面白けりゃなんでも!


結局最終的には内海兄は立ち直り、佐嶋先生のちょっかいを撃退。
内海弟は、「兄をよろしくお願いします」と、健気に身を引き
吉永と内海兄は元の鞘に収まります。

めでたしめでたし。

しかし、いい男ばっかりがなんか男同士で出来ちゃって、
院内の看護士さん(女)の立場はいったい……?
と、微妙に哀れな気持ちになるのは、やっぱ私が女だからでしょうか……。

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