4048735667ダダ&一也シリーズ 運命のミストレス
尾鮭 あさみ 沖 麻実也

角川書店 2004-09-25
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ボーイズラブ・レビュー



なんともカテゴライズのしがたいボーイズラブ小説をお書きになる作家さんであります。
サーモンと言う名の怪魚こと尾鮭あさみさん。

とりあえずメチャメチャ上手いです文章が。
そしてハチャメチャぶっ飛んでます発想が。


何と表現すれば良いんでしょうか。
ゴーイングマイウェイ、黙って俺に付いてこい。
天国に連れてってやるぜ!
みたいな……。

だいぶ前にルビー文庫で一度完結したシリーズの続きなんですが、
大丈夫、これ1冊からでも楽しくサーモンワールドに浸れることでしょう。

ボーイズラブなのに、モロなエロがないのに、
なんかそこはかとなくエロティック。

現代を生きる魔道師とその下僕(奴隷)コンビと、
いーかげんエッセイストと野性味あふれる人類学者コンビ。
間違いなく笑わせてくれます。

以下ネタバレ妄想注意!


とりあえず、主従のコンビ漫才がサイコーであります。
そして恋がはじまるが地に足のついたボーイズラブならば、
こっちは常に空中浮遊のラリパッパ★ボーイズラブ小説でしょう。
もちろん良い意味で。

ぜひルビー文庫の方のシリーズも読んで欲しいですが、
品切れ絶版のオンパレードです……。
再版を切望します、角川書店さん!

ネタバレとか書いてますが、
ネタばらせるほどの内容は今回ないのですよね~。
あのめくるめく世界は読まなきゃ味わえんだろ。

紹介文も、

ルビー文庫でかつて一大旋風を巻き起こした『ダダ&一也シリーズ』が、
尾鮭あさみ×沖麻実也の新コンビで登場。
一也と己斐の関係が遂に進展? 
ダダも知らない哲次の出生の秘密が明らかに?


ってな感じで、あんまし内容には触れてません。
ちょっと前のシリーズネタばらしをするなら、
魔道師である一也(受・ご主人様)が敵を呪うために、
黒髪長髪美形の容姿でもって真夜中に京都で藁人形に五寸釘を打ち込んでみたり
その下僕の己斐(攻・下僕)が、失恋のあまりインド放浪してぶっ倒れた一也を、
カルカッタ400万の人混みから見つけ出してみたり
もの凄いことになってます。

はっきりと断言しましょう。


名作です。


使い魔の生物兵器ニキータとか、
カラスのレオンとか、脇役級のキャラすら笑えるという。

ホントすごいですよー。
ハッテン場になってる田舎の公園に呪いかけたはいいけど、
そこがあまりに有名になっちゃったもんで、
いつの間にかハッテン場じゃなくなっちゃって、
普通の人が集まるようになったと。
んで、呪いだけが有効。
結果→一般人に、呪いにやられてぶっ倒れる人続出とか。

もう作者も登場人物も望みのまま突っ走ってます。
ついてこられる人だけついてこい!
という驀進ノンストップ小説です。
(勧めてるんです、念のため)

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