邪道 無限抱擁(下) 川原 つばさ 沖 麻実也 講談社 2004-11-01 売り上げランキング : 42,730 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ボーイズラブ・レビュー
無限抱擁完結編。
自分の気持ちに気付いたティアは、
それをアシュレイに伝えるべく一歩を踏み出そうとします。
天界一の華と謳われた主天の真に幸せな笑顔が見られるのか……。
と言う巻です。
数十時間後には第3巻が読めるはずなので、一気に感想を書いてしまいましょう。
しかし、文庫版になって何が変わったって、
ティアの変態度が上がってる!?
ってことです。
昔はもうちょっとばかし、冷静というか上品というか慎ましかったというか……
面白いんですけど……。
良いんですけど……。
キリっとしてる時とのギャップが何とも言えませんハイ。
以下ネタバレですー。
ティアが、アシュレイとの関係を変化させると決心した折りも折り。
大事件が勃発します。
東領の結界石にヒビが入ったと火急の知らせです。
(魔族から守るための結界が、結界石を中心に張られているのです)
魔族がそこから侵入している。
と聞いて、アシュレイはティアの話を聞く前に討伐にすっ飛んでいってしまいます。
現場で大暴れしていたのは、かつてアシュレイの副官も犠牲になった、
植物型の魔族「シュラム」でした。
しかし結局1人では敵わなくて、こてんぱんにやられてしまいます。
助けが駆けつけた時には全身傷だらけの毒素まみれで瀕死状態。
ティアは助けようと全力を尽くしますが、状態はかなり悪い。
傍らで見ていたアウスレーゼ様のアドバイスを受けながら、
必死で治療に当たります。
ここで、ボーイズラブならではの設定と申しましょうか。
もうこれ以上、手光(←手をかざしてする治療の事)じゃ無理!
となったときに、
「相手の霊力を回復させるにはティアが直接注ぎ込めば一番手っ取り早い」
という事になります。
要はやっちまえ、ということですな。
やるかやらないか、それが問題だ。
と、冗談じゃなくそういう状況になっちまうわけです。
で、ティアは、
恨まれるかも知れないけどアシュレイが死ぬよりずっと良い!
とばかりに、治療の一環、治療、治療……でもやっぱり可愛い……。」
と、多少の私情を交えつつも傷だらけのアシュレイを抱きます。
(しかし、最愛のアシュレイが死にかけてるのに、
乳首が可愛いからって腫れるまで吸いつくなよティア……)
治療の甲斐あってなんとか持ち直したアシュレイは、
自分にどんな治療が施されたかに気付いて呆然。
ティアに怒鳴り込んでそのまま派手な告白大会に突入します。
耳がとけるよ~ティア。
曰く、
「愛してる。昔からきみの事が好きだった」
「宝物だよ、ひとつだけだよ。今も昔も」
「失いたくないから、きみが誰よりも大切だから抱いたんだ」
「出会うべき出会いはあると思う。私には、それが君だった」
「君のことを一番知っているのは私だ」etc...
……ホント、耳がとけますから!
閻魔様からの過干渉を防ぐ術も身につけ、
身体に関するコンプレックスも克服したティアに怖いものはありません。
この先、まだティアを素直に愛してると言えないアシュレイを口説く気満々です。
残念なことにアウスレーゼ様は帰ってしまいますが、
それはそれで良し。
いちおうのめでたしめでたし、です。
アシュレイは意地っ張りですが子どもなのでやたら可愛いし、
ティアもまだ成長しきれていないのに重責を負って悩んで葛藤して、
それでもどうあってもアシュレイが好き、という真摯さがたまりません。
(ちょっと変態はいってますが)
番外編も同時収録されてますが、本編ほど重くもなく、でも甘々~な、
良い感じの雰囲気に仕上がってます。
本編に通じる設定もあるので、当然読み飛ばせません。
やっぱりティアはちょっと変態っぽいです。
「無限抱擁 上下」は物語の序章的なお話ですが、
ファンタジーとしてもボーイズラブとしても、
なかなかの完成度と言っていいんじゃないでしょうか。
これより面白い小説もいっぱいありますし、
川原さんより巧みな文章で物語を紡ぐ人もいっぱいいますが、
なんというんでしょうか。
彼女にしか書けない、表現できないものが、
この小説には確かに息づいていると思うのですね。
すぐに消えてしまう作家さんが特に多いこの業界で、
彼女は息の長い作家さんになっていくんじゃないかなと思います。
(今の時点ですでに十年以上現役で立派なプロ作家ですが)
この先も楽しみな作家さんです。
しかしそれはそうと……早く蒼穹王国の下巻書いて欲しいな……
(↑発刊が止まってるビブロスの新書サイズで、
第2部の下巻だけ、文庫に先んじて同人誌扱いで発行されるのです。
ちゃんと本棚に新書に並べて収納できるそうな。
本棚空けて首を長くして発売を待っております。
上手くいけばこの夏発行とか……何を置いても買いますとも!)
大事件が勃発します。
東領の結界石にヒビが入ったと火急の知らせです。
(魔族から守るための結界が、結界石を中心に張られているのです)
魔族がそこから侵入している。
と聞いて、アシュレイはティアの話を聞く前に討伐にすっ飛んでいってしまいます。
現場で大暴れしていたのは、かつてアシュレイの副官も犠牲になった、
植物型の魔族「シュラム」でした。
しかし結局1人では敵わなくて、こてんぱんにやられてしまいます。
助けが駆けつけた時には全身傷だらけの毒素まみれで瀕死状態。
ティアは助けようと全力を尽くしますが、状態はかなり悪い。
傍らで見ていたアウスレーゼ様のアドバイスを受けながら、
必死で治療に当たります。
ここで、ボーイズラブならではの設定と申しましょうか。
もうこれ以上、手光(←手をかざしてする治療の事)じゃ無理!
となったときに、
「相手の霊力を回復させるにはティアが直接注ぎ込めば一番手っ取り早い」
という事になります。
要はやっちまえ、ということですな。
やるかやらないか、それが問題だ。
と、冗談じゃなくそういう状況になっちまうわけです。
で、ティアは、
恨まれるかも知れないけどアシュレイが死ぬよりずっと良い!
とばかりに、治療の一環、治療、治療……でもやっぱり可愛い……。」
と、多少の私情を交えつつも傷だらけのアシュレイを抱きます。
(しかし、最愛のアシュレイが死にかけてるのに、
乳首が可愛いからって腫れるまで吸いつくなよティア……)
治療の甲斐あってなんとか持ち直したアシュレイは、
自分にどんな治療が施されたかに気付いて呆然。
ティアに怒鳴り込んでそのまま派手な告白大会に突入します。
耳がとけるよ~ティア。
曰く、
「愛してる。昔からきみの事が好きだった」
「宝物だよ、ひとつだけだよ。今も昔も」
「失いたくないから、きみが誰よりも大切だから抱いたんだ」
「出会うべき出会いはあると思う。私には、それが君だった」
「君のことを一番知っているのは私だ」etc...
……ホント、耳がとけますから!
閻魔様からの過干渉を防ぐ術も身につけ、
身体に関するコンプレックスも克服したティアに怖いものはありません。
この先、まだティアを素直に愛してると言えないアシュレイを口説く気満々です。
残念なことにアウスレーゼ様は帰ってしまいますが、
それはそれで良し。
いちおうのめでたしめでたし、です。
アシュレイは意地っ張りですが子どもなのでやたら可愛いし、
ティアもまだ成長しきれていないのに重責を負って悩んで葛藤して、
それでもどうあってもアシュレイが好き、という真摯さがたまりません。
(ちょっと変態はいってますが)
番外編も同時収録されてますが、本編ほど重くもなく、でも甘々~な、
良い感じの雰囲気に仕上がってます。
本編に通じる設定もあるので、当然読み飛ばせません。
やっぱりティアはちょっと変態っぽいです。
「無限抱擁 上下」は物語の序章的なお話ですが、
ファンタジーとしてもボーイズラブとしても、
なかなかの完成度と言っていいんじゃないでしょうか。
これより面白い小説もいっぱいありますし、
川原さんより巧みな文章で物語を紡ぐ人もいっぱいいますが、
なんというんでしょうか。
彼女にしか書けない、表現できないものが、
この小説には確かに息づいていると思うのですね。
すぐに消えてしまう作家さんが特に多いこの業界で、
彼女は息の長い作家さんになっていくんじゃないかなと思います。
(今の時点ですでに十年以上現役で立派なプロ作家ですが)
この先も楽しみな作家さんです。
しかしそれはそうと……早く蒼穹王国の下巻書いて欲しいな……
(↑発刊が止まってるビブロスの新書サイズで、
第2部の下巻だけ、文庫に先んじて同人誌扱いで発行されるのです。
ちゃんと本棚に新書に並べて収納できるそうな。
本棚空けて首を長くして発売を待っております。
上手くいけばこの夏発行とか……何を置いても買いますとも!)
↓WEB拍手です↓
アキミ